管理人は空自のパイロットと旅客機のパイロットのどちらを選びますか?
初めまして。
いつも楽しく記事を拝見させて頂いております。
戦闘機パイロットの卵 と申します。
今年で24歳、社会人2年目になります。
担当直入に聞きます。
管理人さんは空自のパイロットと旅客機のパイロットならどちらを選びますか?
というのも私は、子供の頃から空を飛ぶことに憧れて
航空大学校、ANAの自社養成と自衛隊と何度も
受験してきました。
しかし、航大は2次の脳波で落ち、ANAの自社養成と自衛隊も2次で落とされてしまいました。
一旦は諦めて一般企業に就職したもののやはりどうしても空を飛ぶ夢を捨てきれず、まだ受験資格のあった航空自衛隊とスカイマーク、そして今年から採用を再開したJALの自社養成を受験しました。
JALの自社養成は残念な結果になってしまったものの
今回、無事、航空自衛隊幹部候補生飛行要員として最終合格を頂きました!
一度は諦めかけたパイロットになるチャンスを頂けて嬉しい一方で、自分は本当に戦闘機乗りに向いているのか?という思いも有りとても複雑です。
航空自衛隊の採用試験では、最終試験でT-7という小型機に実際に受験者が搭乗して、操縦適性検査を行います。
その試験中、いままで乗客として乗った時には体験したことのなかったのに飛行機酔いをしてしまい吐いてしまったり、最終日に余興でやってもらえるアクロバット飛行では4Gしかかかってないのに、グレイアウトしてしまいました。(戦闘機では8〜9G掛かることもあると聞きます。)
なんとか合格は頂けたものの、本当に戦闘機乗りになれるのか、とても不安です。
スカイマークの自社養成はまだ選考中です。
採用条件や福利厚生等は圧倒的に自衛隊のほうが有利なのはわかっていますが、
仮にスカイマークにも合格を頂けたら、正直どちらに行こうか迷ってます。
そこで、是非管理人さんにアドバイスを頂けたらと思い
コメントさせていただきました。
長文となってしまいましたが、
ご回答の程宜しくお願い致します。
By 戦闘機パイロットの卵さん
回答
戦闘機パイロットの卵さん、ご質問ありがとうございます。
執念の結果ですね、おめでとうございます。
さて、考えていて楽しい質問ですね。空自のパイロットか、民間航空会社のパイロットか。
正直言って、両方やってみたいですね。
僕の知り合いにも海自や空自からエアラインに転職してきたパイロットが何人かいますが、本当に羨ましい。
僕は自衛隊のパイロットがどういうものなのか知らないので想像になりますが、民間のパイロットと戦闘機や輸送機のパイロットは全く別の仕事だと思っています。
飛行機を飛ばすという意味では同じですが、戦闘機は敵機を撃墜することを目的とするのに対し、民間機はお客さんを目的地まで安全に運ぶことを目的にしています。
そんなことは当たり前なのですが、それだけの違いで、飛行機の操縦の仕方も変わるし、パイロットが身につけるべきスキル、知識が変わります。
戦闘機では相手の後ろに回り込むためにアクロバティックな操作をしなければならないだろうし、それによってかかるGに耐えられる体にならなければならない。
でも民間機ではそれはいらないし、そもそもそんな動きをすると民間飛行機は壊れてしまいます。逆に民間機のパイロットは天気などを解析して、揺れない高度を考えたり、スケジュール通りに目的地に着くようにプランしなければなりません。たった1分の遅れを取り戻すことは意外と大変です。
また民間機では離着陸時以外は自動操縦を入れるので、パイロットはほとんど操縦をしていません。
それよりも、頭の大半はフライト全体としてのマネジメントに使われます。またトラブル発生時の意思決定者として、機長の存在は大きなものです。
想像ですが、戦闘機のパイロットならばそれよりも「その瞬間」のテクニックや、状況判断が大事なのではないでしょうか。敵機と対峙した瞬間に、殺されるかもしれないわけですもんね。
輸送機であればまた違ったスキルがいるのかもしれません。
うーん、考えていてやっぱり僕は民間のパイロットを選ぶ気がしてきました。
もちろん空自のパイロットといえども空中の戦闘を経験したことのある人はごく僅かだと思いますが、有事の際にはやらなきゃいけないわけですからね。僕には無理そうな気がします。(もちろん、ちゃんとそういう教育を受けて、そういう覚悟を持って戦闘機のパイロットになるのだと思います)
でも航空祭などでブルーインパルスなどを見ていると無条件にかっこいいなと思います。
飛行機を動かす、空を自由に飛び回るという点では自衛隊の飛行機の方が楽しいでしょう。
民間機では自由に飛ぶことはほぼありません。飛行機の性能もよくないため、Think Ahead、頭を使って先の先まで考えて操縦しなければなりません。しかしそれが民間のパイロットの醍醐味とも言えるでしょう。
なんども言いますが、僕は戦闘機や輸送機を操縦したことがないし、その教育がどんなものであるのかも全く知りません。だから自衛隊パイロットにも同じ質問をしてみて下さい。そしてできればその答えをここで教えて下さい。
以上、最後になりますが、どちらを選ぶにしても大変なのはこれからです。
楽しいことよりも辛いことの方が多いでしょう。でも今のその初心を忘れずに、何があっても絶対に諦めないという強い思いで、いいパイロットになって下さい。