パイロットになってから視力が悪くなるとどうなりますか?

はじめまして。

現在日系の航空会社で訓練生をしている者です。当ブログは就活生の頃から拝見しており、いつも大変参考にさせていただいております。ありがとうございます。

私からは視力についてご相談したいことがあります。

私は入社以前から眼鏡をかけており、現在の視力は左右の悪い方で-4.5Dほどです。

訓練生という身分もあってか、将来のことについていろいろ考えている際に、たまたま「大人になってからも近視が進む」(ことがある)ということを知り、不安を感じるようになりました。

航空身体検査の基準は-8Dの矯正まで許容されているので、まだまだ余裕はあるのですが、将来徐々に近視が進行していった場合に基準を超えてしまうのかもしれないと考えると漠然と強い不安に襲われます。(そんなことを考えても仕方が無いというのは重々承知しているつもりなのですが、、、)

そこで管理人様ならびに有識者の方にご質問させていただきたいことがございます。

・現役の操縦士の方で近視が徐々に進行して身体検査の基準に適合しなくなってしまったというケースはあるのでしょうか。

・仮にそのような形で不適合となってしまった場合は問答無用で飛べなくなってしまうのでしょうか。なにか救済策はあるのでしょうか。

・視力を含め、身体検査の何かしらに引っかかって飛べなくなってしまった後も人生は楽しいでしょうか。(これはよく考えてしまいます。)

以上が質問となります。長くなってしまい大変恐縮ですが、なかなか周りに相談しにくいことでもあるので、ご存じの範囲でお考えをお教えいただけますと幸いです。

最後になりましたが、これからもブログを楽しみにしております。今後ともどうかお体に気を付けてお過ごしください。

By 匿名さん

回答

ご質問ありがとうございます。またいつも読んでくれていてありがとう。

ブログの更新が滞っていました。実はコメントをいただいた時に来るはずの通知が切れたようで、ずっとコメントに気づいていませんでした。

『そろそろオワコンかな?』と思っていたところなので、とても嬉しく思います。

さて、ご質問の趣旨としては以下の3点ですね。

①現役の操縦士の方で近視が徐々に進行して身体検査の基準に適合しなくなってしまったというケースはあるか。

②仮にそのような形で不適合となってしまった場合は問答無用で飛べなくなってしまうのでしょうか。なにか救済策はあるのでしょうか。

③視力を含め、身体検査の何かしらに引っかかって飛べなくなってしまった後も人生は楽しいでしょうか。

順に回答していきます。

①現役の操縦士の方で近視が徐々に進行して身体検査の基準に適合しなくなってしまったというケースはあるか。

これは意外にも僕は聞いたことのないケースです。

緑内障とかの病気で治療のため一時離脱とかは聞いたことがありますが、近視の進行で基準を超えてしまうというのは僕の知る中ではありませんでした。

航空身体検査基準を確認するとこうなっています。

質問者さんの場合は現在-4.5Dで、将来-8Dまで悪化してしまうことを懸念されているということですね。

そういうことがどれくらいの確度で起こるのか、眼科医に相談してもいいと思いますが、それを言い出すとキリがない気もします。

僕もフライト中はメガネをかけていますが(軽度なのでジオプトリーは把握していませんが)、いつかは-8Dを超えてしまうのか、気にしても仕方がない気がします。

②仮にそのような形で不適合となってしまった場合は問答無用で飛べなくなってしまうのでしょうか。なにか救済策はあるのでしょうか。

先ほどの続きでこれも僕の知るケースではなかったので考えたことがありませんでしたが、航空身体検査マニュアル上は救済措置は設定されていません。

なのでもしパイロットになった後に近視が悪化していくようであればレーシックなどの手段を検討することになると思います。

この辺は会社の産業医と相談しながら対策を考えていくことになるでしょう。

いずれにせよ一時的な乗務離脱は避けられなさそうです。

③視力を含め、身体検査の何かしらに引っかかって飛べなくなってしまった後も人生は楽しいでしょうか。

これは人の価値観にもよりますが、飛べなくなってしまっても少なくとも生活が脅かされることはありません。

パイロットにはLOL:Loss Of Licenseという保険があって、身体検査などの理由で飛べなくなってしまった場合には飛んでいた時の給料の80%とかを上限として減ってしまった分との差額が支払われます。

そしてこれは非課税なので、皮肉ですが手取りとしては飛んでいた時よりも増えるという現象がおきることもあります。

なので私立に行かせていた子供を転校させないといけないとか、家賃が払えずに引っ越さないといけないというような事態は起こりにくいと思います。

また飛べなくなってしまった場合にもSimulator教官などの仕事をすることができたり、座学の教官をやったり、事故や不具合処理の部署などエアライン内で活躍するフィールドはたくさんあります。

飛んでいるとやはり体はきついので、地上にいながらLOLにより飛んでいた時の給料が保証されるというのは考えようによってはアリだと思います。

僕も地上業務と飛行業務の両方をやっていますが、ぶっちゃけどっちがいいということもありません。どちらにも良し悪しがあります。ただ天気のいい日に気楽にフライトをするのはやっぱり最高です。

回答としては以上です。

気にしすぎても仕方がありません。先のことは先に考えるとして、目の前の訓練に集中しましょう。