海外進出について質問です。
初めまして。
 現在、一浪中の浪人生です。
 いつも楽しくブログ拝見してます。
 グローバル化が急速に進んでいる現在、これからの働き方は世界に向かっていくのではないかと、最近考えるようになりました。
 現に、世界を舞台に飛び回っている方も多くいらっしゃる訳で、今後の自分の選択肢としても、海外進出に注目していきたいのです。
 そこで質問なのですが、、、
 ①.職を問わず、海外進出の為のスキルとして、何が必要だと思われますか?
 ②.パイロットの世界で考えると、海外進出にはどのようなスキルがいるのでしょうか?
 (採用条件のフライトタイムなどは絶対必要と思いますが…)
 また、ライセンスの問題など、弊害もあるのですよね?
 ③.②に関連しますが、パイロットたるだけでなく、「世界で必要とされるようなパイロットはこんなもの」みたいな何かってあるんですか?
 ④.管理人は今後、海外進出はお考えでしょうか?
 僕自身、英語力が必要条件だとは強く感じるのですが、海外で雇われるのに、どの程度できれば良いのかイメージが湧きません…。
 (「カタコト英語でも、コミュニケーション取れればいいんじゃ!?」とか思ってしまったり…)
 うまく纏まりませんが、ご意見お聞かせください!
 By GOOD LUCKさん
 回答
 GOOD LUCKさん、ご質問ありがとうございます。
 いい質問ですね。僕も特に若い人は、もっと海外に目を向けるべきだと思います。
 実は世界中ではたくさんの航空会社が潰れています。JALもそうでしたが、ナショナルフラッグキャリアもだって倒産してしまうのが航空業界です。
 またパイロットのスキルは世界共通です。
 運航においては人の仕事や責任が規定により明確に決まっているため、英語がネイティブレベルにできなくっても仕事にあまり支障がでないという利点もあります。(あくまで他の仕事と比べてですが)
 だから自分がこの先職を失うことはあり得ると認識して、その時の選択肢を広げておくことは非常に大切なことだと思います。
 まあなんだかんだで、若ければ国内でまたパイロットとしての職を見つけることができるのでしょうが、海外を選択肢にいれると、待遇だってずっとよくなります。
 前置きが長くなりましたが、質問に答えて行きましょう。
 ①職を問わず、海外進出の為のスキルとして、何が必要だと思われますか?
 うーん、なんだろう、あんまり考えたことがありませんが、僕が思うのは「専門性」でしょうか。
 有名な話だと思いますが、「お仕事は?」と聞かれて、日本人は「○○(社名)で働いています」って答える人が多いと思いますが、それは国際的な感覚からはずれていて、むしろ外国の人は「ITエンジニアをしています」とか、そんな答え方をします。どの組織に属しているかではなく、自分が何をできるのかにより目が向いているわけです。
 また日本では新卒一斉採用という採用方法がメジャーで、大学卒の、言ってみればまだ何もスキルをもっていない人を、採用担当者が人間性や将来性を見抜いて採用するという、考えてみれば不思議な採用方法をとっています。
 一方海外では、○○ができるからその要員として採用するという、合理的な採用方法をとっています。
 というより、募集要項にそのスキルが必要だと明記されていると思います。
 つまり、例えば採用面接で、自己アピールをしてくれと言われて、「学生時代は世界をバックパック一つで歩き回って、こんなこんなすごい経験をしてきました!」なんて言った時に、日本企業では「こいつはなかなか見込みがあるな」って思われても、海外の企業では「それで??」ってなるわけです。例えばね。
 そもそも、働く仕事も決めずに採用する総合職という職種も、日本的なものなんじゃないかな?
 だから、海外で働きたいなら、「自分は何ができます。こんな実績を残してきました。」みたいな、専門性が必要になると僕は思います。もちろんそれが極めて特殊である必要はありません、アカウンティングだとか、マーケティングだとか、飛行機のデザイニング、、、、なんでもいいですが、「自分にはこれができる」ってのを明確にする必要があるのでしょう。
 ②パイロットの世界で考えると、海外進出にはどのようなスキルがいるのでしょうか?
 ③.②に関連しますが、パイロットたるだけでなく、「世界で必要とされるようなパイロットはこんなもの」みたいな何かってあるんですか?
 ①の質問からの続きになりますが、パイロットは専門性が高いため、割と簡単に海外進出ができるわけです。また世界的にパイロットが不足しているというもの追い風になっているでしょう。
 他に特に必要なスキルというのは思いつきませんね。英語が必要なのはもちろんです。
 パイロットには航空英語能力証明というものがあって、これのレベル○以上とかの条件がついているのをよく見かけます。また面接で面接官と話が噛み合ないと、文字通り話にならないと思います。
 また機長であれば他の部署の人と協議することも多いので、それが英語でできるのは必須の条件となるでしょう。
 しかし条件が合うかがネックで、例えば「エアバスの○○の免許をもってをいること」なんて条件がついていたりもします。これは基本的にその航空会社がエアバスを新たに何機購入するから、その要員としてパイロットを集めるから、その飛行機のライセンスをもっている人に限定したりします。またライセンスを限定せずに、例えばジェット機の経験であればOKみたいなのもあります。
 国によるライセンスの違いもヨーロッパはライセンスが必要だと聞いたことがありますが、他はどうなんだろう?いずれにしても手続きは面倒だと思いますが、これは大きな壁になるとは思えません。そのライセンスを取るのはさほど難しいことではありません。日本が一番厳しいんじゃないかな?
 ここからは③の質問の方ですが、
 海外で働く際にも、査察操縦士や教官操縦士などの資格や経験があれば非常に有利になると思います。
 他にもラインのフライトデータを解析する仕事もしていた(航空会社にはそういう部署があります)とかも評価が高いと聞いたことがあります。
 あとはなんだろう、やっぱり人間性は大事です。
 日本で魅力的な人はやっぱり外国人から見ても魅力的なのでしょう。
 そんなものでしょうか。
 パイロットというのは、非常に優秀な人を採用したからといって、その会社の業績が上がる訳ではありません。
 だからいろんな会社から「うちに来て下さい」なんて声がかかるパイロットというのはいないと思います。そこは企業のマネージャーとかの仕事と異なるところですが、逆にそれくらいの立場にまでなって、その会社のパイロット教育をより良きものに変えたとか、そんな実績があれば世界中からひっぱりだこのパイロットになれるのかもしれません。
 最後に④管理人は今後、海外進出はお考えでしょうか?
 これはどういいましょうか、考えてはいます。
 僕は概ね今の生活に満足しているので、特に今すぐ海外に出て行きたいとは思わないですが、選択肢としては十分にあります。
 海外で生活するのは大変ですが(それが好きな人はいいですが、僕には日本が合います。)、それに見合った待遇があれば検討の余地は常にあります。
 あとは家族ですね。僕はまだ家庭をもっていませんが、子供がいれば海外に行くのが難しくなるかもしれません。まあ子供をどう育てたいのかにもよりますが。
 他にも海外の航空会社へ行って、日本にもう戻ってこれなくてもいいのか、それともゆくゆくは戻ってきたいのか。じゃあそのころに日本のパイロットの需要はどうなっているのか。
 なんて考えているときりがなくなります。
 以上、長くなりましたが、そんなとこです。
 いいテーマだと思うので、よーく考えてみて下さい。英語は絶対必要なので、勉強して下さい。
