論理的思考について質問です。
いつもこちらのブログを拝見させていただいておりますキタフミと申します。
現在大学3年生で今年の自社養成試験、航空大学入試を受験予定です。
早速質問です。パイロットは論理的に考えることが必要だとある本で読んだのですが、私は論理的に考える事が苦手です。あらゆる物事を論理的に考えることが出来るようになるにはどのような練習をすればよいでしょうか?
ご回答お待ちしております。
By キタフミさん
回答
キタフミさん、ご質問ありがとうございます。
論理的に物事を考える力はパイロットには必要な能力だと僕も思います。
で、どうやってその力を鍛えればいいのかという話ですが、僕が思うにですが、日頃から「なんで?」と考えるくせをつけるのが一番いいと思います。
例えば、今回大変大きな地震があり、まだ被災者の方は苦しんでおられますが、川内原発は停止しないというニュースを最近見ました。
それに対してどうこう言いたいわけではないですが、安全だからとめないということですが、なんでなんだろう?って僕は思います。
先の福島第一原発と比べて、「こうこう理由で安全だから、ああそれなら安心だ」、と思うか、「いやいやまだこういう理由でそれは危険だろ」と思うかはその人次第なのだと思いますが、とにかくも、人のいうことを「ああそうなんだ」となんの考えもなしに受け入れてしまうのではなく、自分でなんで?って疑問に思うことが第一歩で、そこから自分なり調べるなり思考を凝らして、自分の判断基準を持っていく。それを常日頃からくせとしてやってきている人は、やってない人に比べて論理的思考能力は格段に高いと思います。
小学生の時からそんなくせを持っている人もいるでしょう。
まあこれは習慣として身につけていく話として、もう一つテクニックの話をしましょう。
論理的に話すとか、論理的に考えるにはどうすればいいのか。
まあこれも僕の勝手な持論なんで、間違っているかもしれませんが。
僕と君が議論をするとしましょう。
まず、「主張」(クレーム)があります。
これはなんでもいいです。例えば、「川内原発は安全です」でもいいし、「実は僕はスパイダーマンなんです」でもいい。
でもそれを言うだけじゃ話にならなくて、それを支える「根拠」(ワラント)が必要なわけです。
上の例だと、例えば(適当に書いてますよ。僕は原発についてはよく知りません。)「川内原発の建設基準は福島のそれと比べて建設基準が厳しく設定されています」とか、「僕の身体能力は超人的だからあんな動きができます」とか。
他にも、「主張」をさらに強固にするために、「例」を上げるという手段もあるし、「データ」を使うこともできるし、「証拠」を見せることもできます。
例えば、スパイダーマンの身長と自分の身長が一致するデータを見せたり、スパイダーマン本人しか撮れないような自撮り写真を見せたり…。
で、じゃあ議論の相手である君はどうすべきなのかと言うと、
「君がスパイダーマンだって?バカバカしい!」
って一蹴してもいいのですが、それでは論理的な議論とは言えません。
論理的に話すためには、君が叩くべきのは「クレーム」ではなく、「ワラント」の部分です。
例えば、「スパイダーマンの身長と同じ身長の人は世界に何百万人もいるんだからそのデータには意味がないよ」とか、「じゃあビルの壁を登って、まずは君の身体能力が超人的であることを証明してみてくれ」とかね。
他にも、相手にとって不利なデータを集めることで相手のクレームを直接崩しにかかることもできます。
それで総合的に結局どっちのクレームが正しいのかを判断していくプロセスが、論理的であると思います。
またこれはグループミーティングじゃないんだから、別に自分の意見を変えたっていい。君が「そうか、そういうなら君が本当にスパイダーマンなんだね」ってなってもいいわけです。
と、、、まあめちゃくちゃになってきましたが、このプロセスはフライトにおける意思決定によく似ています。
例えば、成田から離陸して、上昇中、雲を抜けたところで機長がそろそろベルトをサインを切ってあげようと思うけど、どう思う?
なんて状況になるとします。
例えば機長は「上を見た所揺れそうな雲はないし、子供もたくさん乗ってるからね。トイレを我慢してる人もたくさんいるだろうから。」と言います。
そこで副操縦士は「ですが今の風は40kt適度ですが、上空の風は150ktも吹いています。風が急変したらかなり揺れると思うので、もう少し待つべきだと思います」と言うかもしれない。
したら機長は「確かに風は大きく変わるだろうが、ジェット気流の軸ははるか400nmも北の方にある。だから急激に変わることはないと僕は思うよ。」
副操縦士「そうか、ウェザーチャートを見ても確かに緩やかに風が増えていきますね。僕もベルトを切ることに同意します」
なんて意思決定プロセスもあります。
とまあこの辺にしておこうと思いますが、参考になったかな?
論理的思考をどうのこうのという本はたくさんあるので、適当に読んでみてもいいと思います。
以上、頑張って下さい。