航空業界での飲酒トラブルについて質問です。

何時も拝見させて頂いております。
聞きにくいことで恐縮なのですが、昨年から航空業界で飲酒のトラブルが度々報じられております。このことについて日々航空業界で働かれている管理人様はどの様な意見をお持ちなのでしょうか。
By 名無しの権兵衛さん
回答
ご質問ありがとうございます。
返事が遅くなってすいません、パイロットの飲酒問題について以前コメント欄でちょっとやりとりしていましたのでとりあえずコピペしてみます。
アルコール問題については大変なことになっています。全く飲んでいなくても、フライトの前のアルコールチェックを忘れた場合には航空局への報告が必要になりました。当該機長も、副操縦士も一定期間の乗務停止になります。
また、某社でフライト中にお酒を飲んでしまったという事例を受けて、フライト後のアルコールチェックが必要になりました。
これらを過剰だととるか適切だととるかはおいておいて、航空業界において飲酒問題は闇の部分であったのだろうと思います。
むしろ日本社会の風潮みたいなものなのかもしれませんが、「お酒に付き合う」ということ美徳のように扱われていて、上司などからの誘いを拒否すると「あいつは付き合い悪い」とか思われてしまいそうだし、「自分の査定に響くかも」と行きたくなくとも行ってしまう。そんな空気があると思います。
そんな中で「ちょっとくらい」とか、「ご愛嬌」とかいった甘えで飲みすぎたり、規定を越えた時間まで飲んじゃうというケースがあったのだと思います。
自己管理をしっかりとできる人ばかりならばいいですが、そんな人ばかりではないし、お酒を飲むと加減ができなくなってしまいやすいということもあると思います。
そんな背景で大きな不適切事象が頻発してしまい、まず航空局が動きました。航空局通達が出て、アルコール検査を行うこととその基準値が明記され、基準値を越えた場合行政処分を受けます。
航空局の意向には基本的に航空会社は従わざるを得ないので、新たな規定ができたり(これも非常に労力が必要です)、検査を監視する人員が必要になったり(1日に大変な数の飛行機が飛んでいるので、これも凄まじい量の仕事になります)、現場は大変な騒ぎになります。
なんだかなぁーと思うこともありますが、今は過渡期なのかもしれません。
現にアルコール不具合がなんども起きているのだから、必要な対策なのかもしれません。
しばらく、様子を見る必要がありそうです。
↑ここまでコピペです。まあ僕の意見としてはこの通りなのですが、やはり今は厳しすぎると思いますが、そこまでやっても撲滅した方がいいんだろうなと思います。
現にアルコールが理由になっている事故ってのも大昔に起こっています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%88%AA%E7%A9%BA%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8%E5%A2%9C%E8%90%BD%E4%BA%8B%E6%95%85

アルコールが原因となる事故ってのはとても稀なのですが、とにかくにもアルコールに対する客観的な基準を作って、それを絶対に守るっていう文化を根付かせる必要があるのかなと思います。
追記:
これから色々と考えることがありましたので追記します。
パイロットのアルコール問題について、まず大前提としてまた
当たり前のことですがアルコールの影響下で乗務を行なってはいけません。酔っ払っているのは論外ですが、少しでもアルコールが残っていると判断力や集中力が落ちるし、それは非常時や離着陸の集中力を要する場面で危険な状況に陥ってしまう可能性があります。
航空会社を信用して、お金を払って乗ってくれるお客さんに対してそれは余りに不誠実なことだし、プロフェッショナルとして失格です。
現在ニュースに上がるものは酒気帯びで飛行機を操縦したのではなく、フライトのためのブリーフィング開始前にアルコールチェックを行いますが、ここでアルコールが検出されて乗務できなかったという事態です。決して酔っ払ったパイロットが飛行機に乗っているわけではありません。だから上で述べたようなことは心配ありません。
その上で、乗務前にアルコールが検出されてしまうのは主に2つの原因があります。一つ目は、基本的に日本の航空会社では「勤務の12時間前(8時間の会社もあります)以内に飲酒を行なってはならない」と規定で定められています。
これを破って飲酒を行なった場合と、12時間ルールは守っているが、飲む量が多すぎたために次の日の勤務開始時にアルコールが体内で分解されずに残っているという場合です。
前者については明かなルール違反で、許されることではありません。
しかし後者については従来はノータッチの部分でした。12時間もあれば相当飲んでもアルコールが抜けるってイメージがありますが、意外にそうではありません。人が分解できるアルコール量はだいたい決まっていて、諸説ありますが今回国の出した基準では1時間あたり4gとされています。ビールの500mlの缶には20gのアルコールが入っていて、全て分解するのに5時間かかることになります。ざっくり言って12時間で分解だと缶ビール500mlを2本ちょいを超えて飲むと、12時間後のアルコール検査で陽性となることになります。実際はアルコール分解能力は個人差があるので、かなり厳しくみていることになりますが。
ビールはアルコールが薄いのでそんなもんですが、これがウイスキーだとダブル1杯で分解に5時間かかります。ダブル3杯くらいならお酒の好きな人なら簡単にいけてしまいますね。
ここの部分の管理を、今まで航空会社はパイロットに対して行なっていませんでした。
といっても、そんなの自分で管理してくれって話かもしれないし、勤務時間外のことをとやかくいうものではないという考えもあると思います。
しかし今回の国の決定で、前日に飲めるお酒の量が規定されました。
つまり規定を守っていれば、フライト前のアルコール検査でアルコールが検出されることはなくなったわけです。
そのため今後はパイロットがフライト前の検査でアルコールが検出された場合にはそれ自体に加えて規定違反ということになるため、かなり厳しい処分になると思います。
これがアルコールに関して決められた現状ということになります。
パイロットのアルコール問題として世間で言われているのはこの改定の前のことなのでルール違反をしてしまったケースと、ルール内だったけれども飲みすぎて翌日アルコールが検出されたというケースがあります。もちろんいずれも許されないことなのですが、決してそのパイロットが人格的に問題がある人というわけではありません。今回アルコールが検出されるとニュースにまでなってしまいますが、その内に顔を見知った方がいますが、とても親切で優秀な人でした。もちろんそれで免罪ってわけにはいかないし、事実その方は非常に厳しい処分を受けましたが、決してその人の人間性を否定するものではないと僕は思います。
今は簡単に個人が特定できて攻撃できてしまいますが、決してその人の人生を破壊してしまってはいけないと思います。
またアルコール問題はパイロットの個人の自己管理の問題でもあり、会社として管理すべきものでもあります。だから、アルコール問題を起こした航空会社も航空局から厳しい処分を受けることになるし、より一層会社として防止しようという動きになります。
そうやって現在急速にアルコール問題は改善されていっています。