ラダーを踏むと飛行機はどう飛ぶか
前回でラダーを踏むと飛行機が首をふるってとこまではわかってくれたと思う。
じゃあ、飛行中に首をふると飛行機はどうなるのか?
結論をいうと、「飛行機が滑る」んだ。これはパイロットだけの言い方かな。
詳しく説明しよう。
飛行中に首をふると、状態としてはこうなる。
不思議な絵だろう?
飛行機の機軸の方向と、進行方向が違うんだ。極端に言えばカニみたいな進み方をするんだ。
冗談じゃないよ。着陸時に横風が強いと機軸をずらしてアプローチするんだけど、それを「クラブをとる」って言うんだ。
そして着陸直前にラダーをふんで機軸を滑走路に合わせる。
これとフレアーが同時にくるから横風時の着陸ってのは難しいんだ。
話を戻そう。
こうやってカニみたいに進んでる状態を、「飛行機が滑る」っていう。
この状態はあんまりよろしくない。
まっすぐ空気の流れが入ってこないから、エンジンの効率が落ちるし、機体の風に晒される面積が増えるから、抵抗が大きくなるんだ。
じゃあなんでわざわざ効率を悪くするラダーなんてもんがあるかというと、主にさっき述べた横風着陸の時と、ターンの時に使うんだ。
ターンについてはまた今度。
今日は飛行機が滑るって現象だけ覚えてくれ。