航空宇宙を専攻していますが、パイロットと技術者の間で揺れています。

こんばんは。いつも大変参考になる記事をありがとうございます。
私は一浪の末にようやくこの春から大学生になった者です。工学部の機械航空系にいます。こう言ったらかなり絞り込まれますが、東大ではありません。質問はその大学に関してです。
私がいる学部・学科は、自分で言うのはなんですが、入るのが難しいです。それ故にレベルの高い人が集まり、皆目標がはっきりしています。ほとんどの人が航空宇宙コースを希望し、航空宇宙関係の技術者になるつもりですし、教授たちも世界レベルの技術者を育てようと必死です。そんな中、私は飛行機を設計したいという表向きの夢と、パイロットになりたいという内なる夢の間で揺れています。
もし飛行機の技術者になるのなら、進路振り分けで航空宇宙コースからはみ出さないように勉強し、カリキュラムの通りにレールの上を走っていくことになると思います。
しかし、パイロットになるという夢を選ぶなら、いつかはカリキュラムから離脱しなくてはなりません。大学の授業設計から考えて、学部卒の時点で自社養成や航大を受けるのは現実的ではなく、また院卒の時に受験するのは、もしパイロットになれなかった時はどうしたらよいのかわかりません。
管理人様は航空宇宙コースの大学院を修了された時に自社養成を受験していらっしゃいますが、(失礼ながら)もしパイロットになれなかった時、どのような選択肢があったのでしょうか?また、それまで航空宇宙の勉強をしてこられて、その関係の研究室に所属されていたことと思いますが、教授には何とおっしゃったのですか?私には、技術者を育てる気が満々の教授に、修了間際に「パイロットになりたい」と言うことができるのか心配です。「君は一体なんのためにここで勉強してきたのかね?じゃあ、技術者になるための推薦は要らないね?」とはならないのでしょうか?
今のままでは夢が定まったライバルたちに差をつけられそうで心配です。
まとまりのない長文で申し訳ありませんが、解答よろしくお願いいたします。
By POTATOさん
回答
POTATOさん、ご質問ありがとうございます。
まずは大学入学おめでとうございます。大変辛い一年間だったのではないかと推察します。まずはその喜びをよく噛みしめて下さい。
さて、回答ですが、真摯な悩みだと思います。
僕とほぼ同じ境遇であるので(僕はそこまで悩みませんでしたが)、気持ちは分かります。まずは僕の話をしましょう。
僕も大学の航空宇宙工学科に入りましたが、周りは非常に優秀なやつばかりで、また授業や実験、設計もあり、レポートの要求もきつく、学部時代に自社養成を受けることは迷いました。大学院へは行くつもりだったし、忙しい中で受験して、しっかり対策ができないかもしれないと思いました。同じ理由で受験を見送った同期もいます。
しかし結局学部時代も自社養成を受験しました。結果は不合格です。
なんで受験することにしたのか、はっきりと覚えていませんが、たぶんどうせパイロットになれるんだったら早い方がいいと思ったのと、忙しいからという理由で自分の一番やりたいことにトライしないのは、まあ情けないなと自分で思ったのだと思います。
学部時代に受験したのは自社養成パイロットと航空大のみです。
結果的にそこで落ちていますが、今考えてもそれは忙しくて対策ができなかったという理由ではなく、自分の未熟さだったと思います。特に面接に関して、テクニックという部分ではなく、自分というものに対して、もっとしっかりとした考えを持っていなかったとかそういう点でしょう。
それで大学院を受験することになりますが、さらに有名な大学に行けばパイロット合格の可能性が少しでもあがるかもしれないと、別の大学を受験しました。幸運にも合格して、大学院卒業時に自社養成試験を再トライしました。
別に僕は研究室にいながらも研究者にならず、パイロットを目指すことに対して気兼ねはしていませんでしたが、学校推薦はもらいませんでした。
学校推薦を利用すれば楽に(?)有名企業に内定をもらうことができますが、後でパイロットが受かったからといって内定辞退すると、学校や後輩に迷惑がかかることになります。
だから一般応募で、飛行機設計ができる重工系に限らず、その他のメーカー、商社や銀行、出版社までも受験しました。まあ結果は悲惨なものでしたが。結局、パイロットになれなかった場合にはメーカーに就職するつもりでいました。
で、自社養成試験に受かって意気揚々と准教授に報告に行ったら、「君は日本の航空技術の発展に貢献しないのかね?」と言われました。まあ今となっては笑い話ですが、人によってそれぞれで、教授は非常に喜んでくれました。しかし教授も准教授も忙しい人で、むしろ雲の上の人のような存在だったので、自分の進路などを相談したことはありません。
と、僕の話はそんなところですが、君の質問を意識して書いてみましたが、参考になったかな?
まじめに考えなければならないことですが、肩の力を抜いてもいいんじゃないかなと思います。まずは学生生活を楽しんで下さい。