フラットスピンについて質問です。
管理人さま
ブログを毎度興味深く拝見させて頂いております。
さて、質問なのですが、
少し専門的に、旅客機がフラットスピンに(万に一つ)陥った場合、どのように復帰を試みるのでしょうか?
ストールの際はピッチ、パワーのコントロールと言うのは理解できますが、フラットスピン時はそのような復帰はできるのでしょうか?
また、その際どの程度コントローラビリティーは残されているのでしょうか…?
ご多忙の折かと思いますが、
よろしければご解答いただけたらと思います。
By RyOさん
回答
RyOさん、ご質問ありがとうございます。
うーん、専門的な言葉を知っていますねぇ。
まず、言葉の説明をしておきましょう。スピンというのは失速により引き起こされます。
失速について、?となる人はまずこの辺を読んでみて下さい。(分かりづらい人はwikipedia等でも説明されてるので、読んでみて下さい)
まあ要するに失速というのは翼が揚力を失ってしまう現象ですが、綺麗に(?)両方の翼が同時に失速してくれればまだましなのですが、片方の翼だけが失速してしまうと、失速した方の翼が先に落ちてきりもみ状態に飛行機はなってしまいます。これをスピンといいます。
きりもみと言えば分かるかもしれませんが、絵でイメージしてもらうと、失速した翼と機首が斜めに落ちて、そのままぐるぐると回転をしながら落ちていくような状態です。
スピンは飛行機にとって非常に危険な状態で、これにより墜落してしまった事故もあります。
さらにフラットスピンというのは、スピンの状態機首が上がって飛行機自体は水平を向いているにもかかわらず、ロール方向にぐるぐると回転をし続けている状態のことを言います。これはスピンよりももっと回復が難しく、危険な状態です。
実は、パイロットはスピンからの回復訓練は受けています。
おそらく事業用操縦士の資格の要件にこのスピンからの回復操作経験が入っているのだと思いますが、アクロバット用の小型飛行機を使ってその訓練をやりました。
スピンのからの回復はまずラダーで回転を止めて、パワーを入れて、エルロンの失速が回復したのを待ってからピッチをあげます。
しかし、フラットスピンにおいてはラダーも失速している場合が多く、操縦が不可能になってしまうことが多いようです。昔沖縄の近くでフラットスピンに入ったDC-8の訓練機が、エンジンが脱落してしまった事故もありました。この事故ではその後緊急着陸をしていますので、リカバーできたのでしょう。
さてここで旅客機でスピン/フラットスピンに入った場合、どうリカバーするのかということですが、
ラダーが失速しているかどうかでその可否が分かれるのだと思います。
ラダーが効くのであれば、回転を止める方向のラダーを踏んでやって回転を止めて、ピッチを下げて、速度をパワーで調整して、エルロンの失速を回復させます。
エルロンが失速から回復したら、コントロールは戻るので、あとはピッチをゆっくりあげてやればいいでしょう。
一方、ラダーが失速していれば、回復は難しいと思います。
万が一スピンに入ったならば、フラットスピンとなりラダーが失速するまでにリカバーしてやらないと、取り返しのつかないことになるというでしょうか。
また、スピンに入ってしまうと飛行機の強度としては厳しいと思います。
上のDC-8はエンジンが脱落したし、他の構造部分が壊れる可能性もあるでしょう。
以上、もしかしたら間違っているかもしれません。色々調べてみて、間違いが分かったら指摘して下さい。