パイロットになるには英語は必要なのか?
結論から言おう。必要だ。
なんで必要なのか?それには3つの理由がある。
一つ目に、そもそもパイロットとして採用されるためには英語が必要だということ。
これは自社養成、航空大学、私立大学、自費でのライセンス留学とどれをとっても形は違えど英語が必要になる。
自社養成パイロットの試験では受験資格にTOEIC○○点以上と指定している会社もあるし、採用試験に英語のテストがあり、おまけには英会話面接なんてものがついてくる。
私大の入試でも英語が必要になるし、ライセンス留学をするためには当然最低限の英語が話せる必要が出てくる。
じゃあどれくらいできればいいの?って話になれば、場合によるけれど、受験としてはその点数が高ければ高いほどいいんだろうと思う。
苦手であればしょうがない、最低限の点数が取れれば、あとはその他の部分でアピールできればいい。
英語が必要な二つ目の理由は、訓練、及び乗務するには英語が必要だということ。
航空大学は日本語で訓練していると思うけど、自社養成、私大のフライト訓練、及び自費でアメリカなどに行ってフライトスクールに行く場合にも訓練は英語で行われる。
英語が苦手な人でも大抵は最終的に『なんとかなる』もんなんだけど、そもそもフライトが大変なところで英語が分からないと更なる悪循環に陥る可能性がある。
また教官とのコミュニケーションもそうだが、もっと重要なのはATCである(ATC: Air Traffic control フライトを行うにあたって行う通信のことだ)。
管制官はアメリカ人。
例えばこんな指示がくる。
“maintain 3000ft until passing ○○, report at ○○"
簡単すぎたかな?
『○○を過ぎるまでは3000FTで飛んで、○○に着いたら報告せよ。』だね。
これを例えば間違えて4000FTで飛んでしまったとしよう。何が起こるかわかるか?
答えは、他機と衝突の危険が出る。
管制官が高度を指定してくるってことは、その高度にいてほしいからだ。
何故その高度にいてほしいのかというと、例えば別の高度に他の飛行機がいるからだ。
それにもかかわらず、英語がわからずその指示を守れないと、非常に危険なことになる。
また、こういうのをATC Violation といって、違反に当たる。
ATC Violationは怖いもので、これですぐに事故に直結、というわけではなく大抵はATCに注意されて事なきを得るんだけど、例えば僕が今仕事中にATCを聞き間違えてこれをやっちゃうと、一発で乗務停止になる。
訓練中にやってしまっても、その後痛いハンデを背負うことになる。
最後に英語を勉強すべき3つ目の理由。
時代
現代人として英語は必須だ。これから日本を背負って立つ人として、英語で情報収集できて、英語で発信できる人間になって欲しい。
『いや僕はパイロットになるんだからそういうのはいいです』
なんて思う人もいるかもしれない。
でも今までのようにフライトだけできてればOKの職人的なパイロットの時代は終わる。
これからのパイロットは総合的な能力が求められていくと思う。
詳しくはこの記事を参照して欲しい。
また 英語については重要なテーマなので、パイロット養成道場で取り上げているので読んで見て欲しい。