パイロットってどんな仕事なのか?

2011-01-08

パイロット

この職業にみなさんはどんなイメージを持つだろうか?

憧れの空を飛べる?

給料がいい?

制服がかっこいい?

CAと仲良くできる?

みんなこんな夢を見て、この世界に入って来る。

実際、理由なんてなんでもいい。本当になんでもいいんです。

なぜなら、この仕事の面白さと、厳しさ、やりがいは本当に空を飛んだことのある人にしかわからないからだ。

しかしそれをここで述べてしまうのはあまりにも早計なので抑えるが、このブログを読んで感じてみてほしい。

ここではパイロットがどんな仕事をしているのか書きたい。

昔の自分もそうだったのだが、『パイロットになりたいと言ってみたものの、パイロットがどんな仕事をしているのか実はよく知らない。』って人は意外と多いのではなかろうか。そこでパイロットの一日の仕事の流れを時系列に沿って書いてみる。

1.SHOW UPする。これは「集合」って意味ですね(笑)航空業界はこういう専門用語とか、略語が多い。F.O(副操縦士)はキャプテンよりも早く行って、今日の気象情報を解析しておかなければならない。

2.BRIEFINGする。これは『機長の出発前の確認』というやつで、これを聞くとパイロットなら誰もが苦い顔をする。航空法によって行わなければならないものが定められていて、気象情報(今日のお天気。どこがゆれる?注意するとこは?)、航空情報(空港の閉鎖など)、航空機の整備状況、燃料、重心位置、積載物の安全性の6つについて確認することが義務づけられている。

ここで、みなさんには意外かもしれないのだが、パイロットの仕事はここまででもう半分終わりだという人がいるほど、飛行前の準備が重要であるということです。何故か?冒頭でも述べたように、人間には空を飛ぶという能力は許されていないからだ。問題があるとすれば、ここの時点で、つまりはフライトに行く前の時点で、それはクルー間に共有、解決されてなければならない。

TAKE OFFをしたが実は計器が故障していて、クルーがその壊れた計器を信じて飛んで、その結果飛行機を落としたという事故が幾度となく起こっている。

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3.航空機の外部点検を行う。だいたいこれはキャプテンがやって、副操縦士はコックピットの中でエンジンスタートの準備やら、管制官とのやりとり、カンパニーとのやりとりを行っている。

4.ここでやっとフライトだ。ここはみなさんよく知っているだろう。TAKE OFFに始まり、LANDINGに終わる。

フライトについては別の記事で詳しく述べることにしよう。空を飛ぶっていうのは本当に素晴らしいことだよ。

5.DEBRIEFINGする。キャプテンとコーパイで、今日のフライトはどこがどうだったと、主にコーパイに対する教育のための反省会を行う。

国際線の場合は1LEG(片道1レグという)で終わるが、国内線だとだいたい3レグぐらい飛んで、家に帰る。またはホテルに泊まる。これは会社によって決められているホテルだ。だいたいご飯はCA連れてクルーみんなで食べに行くか、キャプテンと男二人で行くかだな。

どうだろうか?みんな予想通りだっただろうか?いや、違うはずだ。出発前の準備の重要性についてここで理解してもらうことは難しいだろうが、そこが非常に大事なんだ。計画性って言葉を使う人もいるかも知れないが、不十分だ。君たちが運ぶのは、人間なんだ。人の命をあずかるってそんなたやすいことじゃない。

その一端として、イメージフライトってものがある。スポーツでよくやるイメージトレーニングみたいなものだが、パイロットはそれを何度も繰り返す。何百回、何千回も繰り返す。おおげさじゃない。テイクオフの途中で右のエンジンが止まったらどうするか。じゃあエアボーン(空中に浮くこと)して100FTで止まったら?じゃあ雲の中で周りが見えなかったら?

それをすべて考え尽くて初めて、フライトをするに相応しいんだ。