ジェット気流

 

唐突だけど、ジェット気流って聞いたことがあるかな?

ジェット気流とは、wikipediaによると、”ジェット気流とは、対流圏上層に位置する強い偏西風の流れ。 気流の流れを軸とすると、軸の中心に近いほど風速が速く、どこでも平均的な普通の風とは異なるのが特徴。成層圏などにも存在するが、単に「ジェット気流」という場合は対流圏偏西風のものを指す。 極を中心に特に上空8 – 13km付近で風速が最大となる。” 引用

こう聞いてもよく分からないと思うけど、図を見てくれれば一発で分かると思う。

 

ジェット気流

これは気象庁が発行している高層天気図、およそ38000ftくらいの高度の風を描いてくれている地図なんだけど、2021年5月3日の朝9時のものだ。

パッとみてもなんのことか分からないと思うので、見やすいように日本列島を緑に、ジェット軸を青に色を塗ってみるとこうなる。

ジェット気流 色付き

九州の南の方から東海上に向けて、うねうねと蛇のような青い線が入っているのが分かると思う。

これがジェット気流だ。

線に矢羽がついていて、三角の羽が50kt、これにくっついた線が一本10kt、その半分の長さの線が5ktの強さであることを意味している。

鹿児島付近の上空では、三角と線が4本と半分の線が1本。つまり、95ktの風が吹いていることが分かる。

95ktってどれくらいかと言うと、1kt=1.8km/hrで時速171キロメートルもの凄まじい風だ。

真冬になるとこの風の強さが最も強くなって、200ktなんて日もある。時速360キロメートルだ。

東京から鹿児島に飛ぶ飛行機なんかはこの風に向かって飛ばないといけない。
飛行機の性能上の速度をだいたい400ktくらいとして、時速720kmくらいだ。

すると飛行機が実際に進む速度は、今日の風だと720km – 170km = 時速550kmしかスピードが出ないことになる。

逆に鹿児島から東京に向かう飛行機だとこの風に乗れるので、720km + 170km = 時速890kmものスピードが出ることになるわけだ。

興味のある人は航空会社の時刻表を注意深く見てみるといい。
同じ区間でも、往路と復路で設定されている時間が違うんだ。

また、夏のダイヤと冬のダイヤでも違う。

それはさっきも言ったけど、夏と冬でジェットの強さが変わってしまうからだ。

パイロットは西行きを飛ぶ時なんかはジェットが強い日には風の比較的弱い高度を狙って飛んだりもする。

ジェットの近くはよく揺れるので、これがまた難しいんだ。

ジェット気流、不思議な現象だよなーって思う。