中学3年生ですが、アメリカでパイロットになる方法について質問です。
最近パイロットになりたいと思い始めた中3です。
ほかのウェブサイトで探したのですが、明確な答えが見つからなかったので質問させていただきます。
いくつか質問があるのですがお許しください。
1つ目はアメリカでエアラインパイロットになるための最善の方法は何かということです。
自分は英語が得意で以前から海外で働きたいと思っていたので、アメリカでエアラインパイロットになりたいと考えています。
ほかのウェブサイトでは「日本で経験を積んでから、アメリカに移動するのがいい」や「アメリカに留学し現地で資格を取った方がいい」という意見があり、あまりわかりませんでした。実際はどちらが良いのでしょうか?
2つ目はパイロットになるために必要な成績です。
自分は学校だとほぼオール5の成績です。市内の学校では低い方の学校なのでそれでも十分なのかが心配です。
3つ目は自分のようなものがなれるのかということです。
自分は小さい頃から将来の夢がよく変わります。
エアラインパイロットになるという夢を持ったのも、先月ぐらいでその前は空港税関でした。
自分でも、今なりたいって思っているだけでいずれ変わるのでは?そんな生半可な覚悟の自分がなれるのか?と考えてばかりです。
そしてもうひとつの理由としては、
家の収入です。決して貧乏という訳ではありませんが、お金持ちということでもなく学費が払えないのでは?と
思ってしまっています。
長々と質問を並べてしまい読みにくいと思います。
すみません。できれば返信お願いします。
他にエアラインパイロットになりたいと思っている方も
頑張ってください!
By KAIGさん
回答
KAIGさん、ご質問ありがとうございます。
まだ中学3年生というのにしっかりと将来を考え、問題点を洗い出していて素晴らしいですね。
いくつか質問がありますが、早速順に回答していきましょう。
①アメリカでエアラインパイロットになるための最善の方法は何かということです。
一発目で厳しい現実なのですが、アメリカでエアラインパイロットになるには大きなハードルがあります。
大きなハードルとは、ビザの関係です。
説明するよりも見てみた方が早いので、例としてアメリア、サウスウェスト航空のリクルートのページを参照します。
ここのRequirementの欄に”Must have authorization to work in the United States as defined by the Immigration Reform Act of 1986.”
とありますね。
正直これを読んでも、「??」という感じなのですが、この辺を参考にしていいのかな?
僕の理解が正しければですが、アメリカの居住権やパスポートを持っていなければそこでは採用してもらえないということだと思います。(あってるかな?)
確かハワイアンエアーなんかはもっとわかりやすく、グリーンカードを持っていないとダメって書いてあったと思います。(実は僕も昔憧れて調べてみたことがあります)
君が調べたように、日本で経験を積んでからアメリカに行く、アメリカに留学して現地で資格を取る、いろんな情報が出てると思うし、いずれもメリット、デメリットがありどれがいいかは人によるってところもあると思いますが、そもそものこの応募資格を満たすことを考えなければならないと思います。
現にアメリカやカナダでエアラインパイロットとして飛んでいる方のブログがありますが、どうやって行ったんだろう?
多いケースとしては、アメリカでライセンスをとって、そのまま教官の資格をとって、そのままアメリカでフライトスクールの飛行教官としてフライトタイムをためて、同時にパーマネントビザみたいなもの?その辺は僕は詳しくないのでよくわかりませんが、何年か働くと事業者がパーマネントビザを申請してくれてそれが通ると自由に働けるようになる、とかあるのかな?よく分からないので濁してしまいますが、そんな感じで次は小さめのエアラインに就職して、ジェットのフライトタイムをためて次は大きな航空会社へ、とステップアップしているのかなと思います。
アメリカやEUなどは雇用条件が厳しくて、普通の日本人パイロットがその国のエアラインに就職することはそもそもハードルが高い、という認識を僕は持っています。
知っている方で奥さんがアメリカ人で、それでアメリカ永住権を持っていてアメリカで就職したパイロットがいますが、そういう特別な事情があれば楽だとは思います。
一方で中国やアジアなど、まだパイロットの総数が足りていない国ではそういった縛りがなく、比較的自由に日本人が働くことができます。なのでアメリカで働く資格をクリアできる見込みがある、またはアメリカに限らず海外でパイロットになる、という前提で話を進めましょう。
日本で経験を積んでから外国に出る、外国にパイロットのキャリアを始めてすぐに行ってしまってそこで経験を積む、というのはどちらも一長一短で、じゃあその経験というのを「機長になる」と読み替えてしまいますが、日本で機長になってから海外へ行く。海外の航空会社に行ってしまってそこで機長になる。
ここはなかなか難しいところで、国によって、会社によって程度が違いますが、『セニョリティ』というものがあって、『入社順で優遇』という文化が航空会社にはあります。
これがきついところでは日本で機長になって海外へ行っても、副操縦士からやり直しということになります。副操縦士を何年かやって、セニョリティとして自分の順番が来たら機長に昇格することができます。
であれば、最初からその会社に入ってしまった方がいいですよね。
一般的に、アメリカはこのセニョリティが非常に強いと言われています。
だからアメリカに関して言えばパイロットキャリアを始めてできるだけ早くその行きたい航空会社に入ることがミソになると思います。
でも国によって、会社によって「うちは機長が足りない」って会社があり、そういうところであればいきなり機長として入ることができます。
これができる会社に行きたいのであれば、日本で機長になってから行った方がいいのかなと僕は思います。
外国人として働くということはそれなりのリスクを伴うからです。
今回のコロナでも日本で多くの外国人パイロットが解雇になったし、世界中でも外国人パイロットから先に首を切られます。
副操縦士としてその会社に尽くして、あとちょっとで機長というところで財政状況が悪くなり解雇、、ということになれば、また転職先の会社で一番下のセニョリティからやり直さないといけません。
フライトタイム等の考慮もしてくれる会社もありますが、セニョリティとはあくまで『入社順』ですから。
ということでこれはなかなか一言では答えの出せない、複雑な問題ということです。なんとなくはイメージできたかな?
長くなったので今日はここまで。続きは次の記事で回答します。
追記
続きについて、秀逸なコメントを残して頂いたのでこれで回答とします。
息子をパイロットにしたい眼科医さん、いつもありがとうございます。