AIRDOとソラシドエアの経営統合

2021-05-31

少し前のニュースだけど、AIRDOとソラシドエアが経営統合するというニュースがありましたね。

AIRDOプレスリリース

コロナの影響でどこの航空会社も厳しいと思うけど、とうとう来たなという気がします。
しかしこれは合併、つまりAIRDOもソラシドもなくなって新たな会社が誕生するというわけではなく、どちらかがもう一方を吸収するというわけでもなく、あくまで経営統合。両者の上に新たに共同持株会社を作って、それにぶら下がる形でAIRDOとソラシドが運航を行う。

つまり、絵にするとこんな感じ。上のプレスリリースを読んだ方が早いけど。

AIRDOとソラシドの経営統合

何が変わったのかよく分かりませんね。
実際、お客さんとして飛行機に乗る分には違いは変わらないのかなと思います。

でも実際はこの両社の統合はメリットは大きいと思います。
両社とも機材はB737を使用していて、型番は違いますが共通するパーツなんかは使い回せそうですね。

またAIRDOは北日本、ソラシドは西・南日本を主に飛ばしていますが、重なってコストがかかっていた部分、地上スタッフとかシステム、諸々を共同で使えばコストダウンは進みそうですね。

また両社ともANAの傘下で、もともと多くの便をANAのコードシェアとして飛ばしていて、地上のシステムや人員もANAのものを多く使っているので、従来の延長線上の経営統合ということで親和性も高そうです。

じゃあなんで新しく一つの会社にしないのかというと、羽田枠の関係だろうなと思います。

日本最大の利用者数を持つ羽田空港の離発着枠は大きな利益を生むので、航空局は公平に各航空会社にその規模に応じて割り振られています。

AIRDOに数枠、ソラシドエアに数枠羽田の離発着枠があったはずですが、これが一つの会社に統合されると合計の枠は減ってしまうことが予想されます。

中小以下の航空会社にとって羽田の枠が数枠消えるだけで経営に大きな問題を生じるほどの影響があるので、これは絶対に避けたいわけですね。

だから表面上は以前のままの姿で運航を継続する。利用者にとっては何も変わらない、ということになる気がします。
なんだかなあという形ですが、良くも悪くも、これが今の日本の航空業界の現状です。

また逆に航空会社はそれだけの企業努力をして生き残りを図っているわけです。

ワクチン接種が進めば旅客も戻ってきてくれる、とはすでに言えない状況なのかもしれません。仕事、生活様式の変化も進むでしょう。
全ての航空会社にとって、頑張り時だと思います。僕も何か貢献できればなぁと思いますが、なんかないかな?