ストールのリカバリー
パイロットにとって非常に恐ろしい現象であるストール。じゃあ機がストールしたらパイロットはどうすればよいのだろうか?
結論からいこう。
ピッチ・パワー・バンク
これがもう自動的に出てくる。ストールした瞬間に体がもう勝手に動くようになっていなければならない。
ちなみに、その前に『ストール』ってめちゃくちゃでかい声で言う。
じゃあ説明しようか。ここまでの記事が理解できていれば簡単に分かると思う。
ピッチ: ピッチ角のこと。飛行機の機軸と、水平線との角度のことを言う。
パワー: その名の通り、エンジンのパワーだ。
バンク: バンク角のことだ。どっちかの翼が下がっている状態を、『バンクがついてる』という。
じゃあ順番にいこう、。
1.『ストール』と叫ぶ
危険の共有だ。旅客機は一人で操縦することはない。かならず、機長と副操縦士の二人。
一人がストールに気づいてないのにもう一人が急に回復操作をとったら、もう一人は混乱してしまうかもしれないよな。操縦桿ってのは二人分がつながってる。だから、まずでかい声で共有する。
2.ピッチを下げる。つまりは迎え角を下げるんだ。
前回の記事を見れば一目瞭然だよな?ストールの恐ろしさ
迎え角が上がりすぎてるから流れが剥離してストールが起こる。だから、迎え角を下げてやればいい。
3.パワーを足す。
空気の流れをもっと翼に当てるためにスピードがほしい。だからパワーを足す。スピードがつけば、また上昇ができる。
4.バンクを戻す。つまりは翼を水平にする。
ストールすると高度が落ちることが問題であることはすでに述べた。バンクがついていると
垂直方向の揚力は減っているよな?これじゃさらに飛行機が落ちてしまう。だから、翼を水平にして、揚力を確保する。
これらの操作を滑らかに、素早く行えば機はストールから回復する。