ハイジャックについて質問です。

はじめまして。
現在旅客機のパイロットを目指している大学2年生です。
最近このブログを見つけて、それからいろいろ考えながら読ませていただいています。
既に質問されていた話だったらすみません。
先日、同じくパイロット志望の友だちから「もしハイジャック犯が乗客の中にいて、その犯人に、東京やニューヨークに突っ込め。突っ込まないと乗客全員の命はない、と言われたら君はどうするか。」と聞かれました。
突っ込んでも乗客の命はないので、それなら犯人の指示には従わず、近くの空港への着陸を試みる、と答えたのですが、未だにどういう行動をすべきなのかふと考えることがあります。
管理者様ならどう考えますでしょうか。
まだまだ知識の浅い未熟者からの質問ですが、回答のほどよろしくお願いいたします。
By Kaiさん
回答
Kaiさん、ご質問ありがとうございます。
気温がだいぶ上がってきましたね。寒い日には早く暖かくなってほしいなと思いつつも、いざ暑くなってくるとうんざりしてきます。
ハイジャックについて、とてもいい質問ですね。
ハイジャックと言われて9.11を思い浮かべる人は多いと思いますが、これは飛行機にとって最も大きな脅威の一つだと思います。
基本的には、ハイジャックに会ったときの対応は決まっています。
人質を取られても、犯人の指示に従ってはなりません。一刻も早く近くの空港に着陸することが基本になります。
理由はやはり9.11だと思います。9.11とは2001年にアメリカで起こってしまった同時多発テロのことですが、ハイジャックされた飛行機がワールドトレードセンターと国防総省本庁舎に衝突させられました。
航空史に残る痛ましい事件ですが、この事件を受けて、航空業界はハイジャックへの警戒を急激に高めることになりました。
それ以前は日本でもコックピットへの入室は一般の方も機長の許可を得ればできたのですが、今はできないし、空港での保安体制もアメリカへ旅行をしたことがある人は分かると思いますが、めちゃくちゃ厳しくなりましたよね。
日本でも1999年にANAの飛行機がハイジャックされる事件がありました。これはテロではありませんでしたが、人命が失われています。
ハイジャックされた航空機がテロとして使われた場合、最悪の兵器となってしまうことを見せつけたのが9.11でした。
この事態を繰り返さないためにも、ハイジャックに対して多くの対策ができたし、パイロットの教育においても重要視されています。
しかし規則はあっても、いろんなケースがあり、規則では対応できないことも起こりうるでしょう。
そんな時のためにも、パイロットはハイジャックについてよく考えておく必要があります。
また大きな被害を防ぐために、人質を取られても相手の要求に従ってはならないという考え方には賛否両論があると思います。
僕の好きな本の中に『これからの正義の話をしよう』というものがありますが、これに似た話が出てきます。
非常に考えさせれられる本ですので、一度読んでみてください。