航空適性検査

2020-05-30

自社養成パイロット、航空大学校を受験する際には航空適性検査を必ず受けなければならないし、私大のパイロットコースでもFTD(Flight Training Device)を使った試験を行なっているところがある。

航空適性検査とは簡易的なフライトシュミレーターや、会社によってはマルチタスク能力や注意力を検査するようなゲームみたいなものを用いて、パイロットとして飛行機を操縦する適性があるかを試験する。

これについて考察してみよう。

これまで一度も飛行機やフライトシュミレーターを操縦したことがない人が多いと思うけど、そんな人にシュミレータやゲームをやらせて一体何を見ているんだろう?

検査自体は各社、各学校でそれぞれの独自のものを使っているのかな。本物のフライトシミュレータを使う会社もあるそうだ。
それぞれどんな試験をしているかは知らないし、ここで書くつもりもないけど、どこの会社でも見られていることは大きく変わらないと思う。それは、

1.プログレス及び同じミスをしないか
2.急激なインプットをしないか
3.注意の分散ができるか=エラーに気づけるか
4.エラーに対して修正操作が取れるか

これは実機訓練についてこれるかに直接影響する。

1. プログレスというのはこの世界ではよく使われる言葉です。
絶対的な成績よりも、『前回よりもうまくなってるか』が重要視される。おそらく採用試験でも何度かチャンスを与えられると思うけど、これは1回目よりも2回目、2回目よりも3回目の方がうまくなっていることが理想。

また、パイロットの訓練においては『同じミスをしない』ことはとても重要。
パイロットの世界ではチェックというものがあるけど、同じミスをすると試験管からの印象はとても悪くなる。

2. 急な操作はしてはいけない。
最初から操縦が荒いのは論外だけど、何かミスをしてしまった時に、急な操作で戻そうとしてしまいガチだと思う。慌てるほどその傾向が強くなるけど、これはダメ。『滑らかに修正する』ことが大事。
エレガントな操縦を心がけろ。これは車の運転でも同じじゃないかな。

3. 注意の分散
マルチタスクとはまた別の意味だけど、飛行中は姿勢、高度、速度、ヘディング等様々なパラメータを同時に守らなければならない。ターンしてる間に高度がずれてしまったりする。そのずれに気づけるかどうか。

4. 修正操作、意欲
上に関連して、ずれを発見した場合、これを直す適切なインプットを入れる必要がある。
『高度がずれてるけどちょっとだからいいや』ではダメ。
決してうまくやる必要はないけど、ずれたのを直す方向にインプットを入れているか。
例えば高度が上にずれてしまったならば、ピッチを下げる必要があります。ここで急激にピッチを下げると高度が急激に減って、またそれを直してと、飛行機は上下に蛇行することになる。

そうならないように、小さな修正を細かく行うことが大事なのかなと思う。
それでこれに対策をしていくべきかというところになると、難しいよね。
僕が試験を受けていたのはもう十年以上前だけど、その頃は情報が少なくて、対策はできなかった。

本来対策をするような試験ではないと思うんだけど、情報が出回っていて、周りがみんな対策をしてくるんだったらちょっと考えものだよな、と思う。

やっぱりなんだかんだで対策をしても意味のない部分と意味のある部分があるだろうし、周りが対策してきてめちゃめちゃうまい中で一人ヘタクソだったら、それが本来の姿であったとしても見栄えが悪く映ってしまう。

なんだかなぁということになっているのが現状な気がする。