パイロットに必要な能力
しばらく更新が空いてしまいました。
子供ができると絶対的に時間がなくなりますね。
昔はお休みの日はいつまで寝ていても良かったし、夜は好きに映画をみたりお酒を飲んだりしていましたが、今は僕の自由時間は子供が寝る21時から自分が寝る24時までの間だけです。
まあそれは大変なことでもあるのですが、子供がかまってくれる時間は意外に短いものなので、この時間を大事にしています。
しかし幸運なことにも(?)パイロットはフライト先で泊まる『ステイ』というのがあるので、ステイ先では自由に時間を使うことができます。その分妻は大変なのですが。
さてどうでもいい言い訳は置いといて、今日はパイロットに必要な能力について紹介します。
精神論的な話ではなくて、実際にパイロットの訓練や審査で使われている内容となります。
このブログでも何度か出てきていると思いますが、最近多くのエアラインでCBTAという訓練審査プログラムが採用されています。
これは"Competency Based Trainning and Assesment"の略で、
『パイロットに必要な能力を定義して、これを醸成するような訓練審査を行いましょう』
というものです。
つまりこのCompetencyというものがパイロットに必要な能力に他ならない。
そしてこのCompetencyはFAA(アメリカの航空局)ICAO(世界基準)やJCAB(日本の航空局)によって定められています。
内容はテクニカルスキルとノンテクニカルスキルに大別されて、
テクニカルスキルとして
1 ACFT FLT Manegement Automation
2 ACFT FLT Path Manegement Manual Control
3 Application of Procedure
ノンテクニカルスキルとして
4 Situation Awareness
5 Problem solving and Decision Making
6 Communication
7 Leadership and Teamwork
8 Workload Management
9 Knowledge
10 Attitude
の10個のCompetencyがある。
ざっくりと人間の言葉にすると、
1. オーパイをうまく使えること
2. 操縦技術
3. プロシージャをいいタイミングでできること
4. 情報を収集できること
5. 計画的に判断できること
6. コミュニケーションとれること
7. チーム作りがうまいこと
8. タスクの配分ができること
9.フライトに必要な知識を持っていること
10. 仕事への取り組み方が真面目であること
って感じになるのかな?
多くの人が想像する『操縦の腕』っていうのは2の"Manual Control"だけで、必要とされる能力のごくほんの一部に過ぎないということになります。
訓練や審査ではこの中でもさらに細分されていて、『この項目はOK』とか『ここがちょっと弱いよね』みたいに教官や査察操縦士から指摘を受けることになります。
これからパイロットを目指す人に対して、だからどうしろってわけでもないんだけど、逆に考えると『こういう人はダメ』っていうのが見えてくるんじゃないかと思う。
ちょっと考えてみてほしい。