パイロットの休日

今日は前回のスケジュールに関連して、パイロットの休日について紹介しようと思う。

とはいえ休日の使い方なんて人それぞれあるんだけど、一例としてどんなもんかイメージが持てればいいと思う。
仕事を選ぶっていうのは生活を選ぶってことでもあるわけで、自分の理想とする生活スタイルなのか先に知っておくのは意味がある。
極端な話、船乗りになると3ヶ月航海に出て世界を回って、帰ってきて1ヶ月おやすみ。なんて生活スタイルもある。

パイロットはこれほど強烈じゃないけど、『こんなはずじゃなかった』となってはもったいない。

まずは前回のスケジュールを出しておく。
これは僕が適当に作った架空の会社の国内線パイロットの一般的なスケジュールだ。

この『OFF』ってのがおやすみに当たるんだけど、このスケジュールでは2連休とかが続いているけど、1日しかない時もある。
例えば16日のOFFを見てほしいんだけど、前日の15日は23時半まで仕事をしている。
これだと家に帰れるのは24時を回ってしまって、寝れるのは夜中の2時とかになるだろう。8時間の睡眠が必要な人なら16日に起きるのは10時とかになる。

これで17日が朝9時からフライトだったりするとどうだろう?
夜は23時に寝ないといけないとして、実際に自分が自由に使える時間は午前10時から午後23時までの11時間だけだ。
この中で食事をしたり風呂を入ったりしないと行けないので、実質はもっと短くなる。
結構きついんだよな。

これが以前までは通っていたんだけど、航空局からパイロットのスケジュール作成のガイドラインが出て、休みといえどこんなに短い時間の自由時間のスケジュールは作ってはならないことになった。
でもまあ程度の問題で、これに近いことが起こるし、おやすみが2日間連続していたとしてもその前日と翌日のスケジュール次第ではOFFをフルで自由に使えないということは理解しておいた方がいいのかな?

まあそんなもんだから、2連休といえども気軽に一泊二日で旅行に行くには厳しいこともある。
逆に午前中にフライトが終わって、2連休からの午後からのフライトだとスケジュール表記上の2日間より長い時間を使えることになる。

ここまでは通常の月として、じゃあ夏休みや正月休みは?と思う人も多いだろう。
パイロットには基本的には夏休み、お盆休みも正月休みもない。
自分で申請しなければ永久に上のようなスケジュールが自動的に出てくる。

夏休みに1週間くらい休みをとって旅行したかったら、スケジューラーに申請するわけだ。
大体はパソコンやタブレットを使って簡単にできるようになっていると思うけど、そんなに大きな手間ではない。

夏休みは混んでるし値段も高いわで嫌だなーと思ったら、10月に1週間の休みをとってもいい。
会社によってその形式は違うと思うけど、有給とは別に地上職の人のお盆休みや正月休みに相当する分の日数の休みが使えて、それを自分の好きな時に使えるというわけだ。
連続して休みを取るのが嫌なら、とびとびで休みをとってもいい。
逆に有給と組み合わせて1ヶ月くらいの長期休暇にして、海外旅行に行ってもいい。

この辺は一般の仕事と違って融通の効くところだと思う。
パイロットは個人で担当している仕事っていうのがないから、『仕事の引き継ぎをしないと休めない』ということがないんだ。

これらを前提とした上でパイロット達がどんな休日を過ごしているのかは人それぞれなんだけど、僕なんかは他の一般の会社員とそう変わらないと思う。

コロナ禍の今を除いだけど、海外旅行のために1週間程度の休みをとって家族と旅行ってのを年に1回くらいやったり(航空会社の社員は自社便を安く乗れたりするので旅行は行きやすい)、3日間くらいの休みで温泉に行ったり。

特段に予定をつけていなかった休みには家族と散歩したり、ちょっとしたお出かけをしたり。
今は子供が小さいのであんまり自分の時間が取れなくなっちゃったけど(ブログの更新が遅れて申し訳ない)、こうやってブログを書いたり本を読んだり、ジムで運動したりして休日を過ごしている。

あんまり特別なことはしていない。

他の友人のパイロットもまあ同じようなもんだけど、サッカークラブに入っているやつは毎月試合や練習の日に休みを申請して励んでいるし、毎週は子供の野球の練習に付き合ってるお父さんもいる。

自由度は比較的高いんじゃないかなと思う。

しかし正月やお盆など、多くのパイロットが休みを取りたい日程はあまりに休みが集まると飛行機が飛ばなくなるので、抽選になったり、会社によっていろんなルールを決まっているが休みが取れないことも多いと思う。

スケジュールのキツさはあるし、毎週決まった曜日行う習い事なんかは難しそうだけど、休みは比較的他の会社員よりも多いし、スタンバイなんかもあるのでプライベートは割と充実できるんじゃないかと思う。