パイロットの子育て

過去にパイロットの家庭についての質問をもらったことがあった。(パイロットの家庭について質問です。

当時は僕には子供がいなかったので、なんとなく回答していたんだけど、今僕は絶賛子育て中なのでこれについて考えてみようと思う。たぶんこのブログを読んでくれている人はまだ子育てのことなんてまだ頭にないと思うんだけど、割と大事な話だ。

パイロットの子育てがどういうものになるのか、結論から言うと、やっぱりこれは人による。

両親とも働くのか、働くなら妻の仕事はどういう仕事なのか、実家が近くて援助を受けられそうなのか、また子供の性格によっても変わる。

例えばよくあるケースとして、妻がCAとかでスケジュールもキツイ、でも仕事を続けたい…となると人生いきなりハードモードになる。

僕の友人で何人かいて、子供を小さいうちから保育園に入れてるんだけど、保育料は収入によって変わるのでこれが結構高い。自治体にもよるけど、7.8万したりする。

その上で妻は泊まりがないスケジュールになるように会社に便宜をはかってもらい、でも保育園の時間内に収まらないこともあるので、毎月両親でスケジュールを綿密に計算しておやすみの申請を出しておく。

しかしこの申請できる数も限りがあるので、妻が朝早くから仕事の日は自分が保育園に送っていって、その後その足でフライトに行って、お迎えは妻がやる。とか。

目が回るような忙しさになるし、結構綱渡りで、家族のうち誰かが体調を崩したりすると生活は破綻する。
実家が近くて、そんな時におじいちゃんやおばあちゃんがヘルプに来てくれるならば切り抜けられるが、どちらの実家も遠いとかになるとどうしようもない。

また二人目の子供ができたりすると、この生活を続けられる人はほとんどいないと思う。僕も見たことがない。

これが悪いというわけでは決してなく、そんな生活でも子供は可愛いし毎日充実して楽しいと思う。
でもめちゃくちゃ大変だと思う。

でもじゃあ妻が専業主婦になれば楽なのかというと、やっぱりそれでも大変。

順に行くと、まずパイロットも育休が取れる。
昔は『パイロットが(男が?)育休をとるなんてけしからん!』みたいな雰囲気があったみたいだけど、今は全くそんなことはない。

ただ、パイロットにはリーセンシーといって、エアラインで飛ぶためには『最近の飛行経験』が必要になる。
航空法で『連続する90日に3回以上の離着陸経験がないとラインで飛べない』とか、いくつか決まっていて、航空会社の訓練規定によりもっと細かく決まっている。

僕もあんまり詳しくは知らないんだけど、60日が限界なのかな?90日かな?
それを越えて育休を取ると復帰訓練と審査が必要になるので、これを越えて育休を取る人は特別な事情を除いていないと思う。

僕も1ヶ月前後の育休を取ったんだけど、大変なのはそれが終わってからになる。特に妻が。
例え妻が仕事に復帰しない、もしくはリモートだったり、週に3日程度のパートタイムの仕事をするという選択をしたとしても、パイロットは家に帰らない日がある。

会社や機材によっても違うけど、月に10日前後は家に帰れない。(パイロットのスケジュール
また帰ってくるにしても夜中だったりで、子育てを手伝うことができない日が月の半分以上になると思う。

この間は妻にとっては実質のワンオペになるわけで、子供が小さいうちはほんとにキツイ。
お風呂に入れるのも一人では大変だし、動き回れるようになると目を離すこともできなくなるし、自分のこと、家のことが全くできなくなる。

だから自分は2泊3日とかのフライトから帰ってきたらこっちも疲れているんだけど、妻はもっと疲れているので、子供のお世話を変わってあげたいと思うんだけど、何をしていいか分からないのでさらに妻の機嫌が悪くなったりする。

この期間は大変なんだけど、2.3年もすれば子供も話が通じるようになってくるし、保育園や幼稚園に行きだしたならば親の時間ができるので、やっと一息。。という感じになる。

僕も最近だいぶ楽になってきたものの、まだまだ子育て奮闘中です。
大変だけどやっぱり子供はめちゃくちゃ可愛いので、みんなにもこの地獄のような日々をおすすめします。