物理の勉強、喘息についての質問です。

ブログ拝見させていただきました。こういった、実際のパイロットの方が、わかりやすく様々な知識や情報を、リアルタイムで提供していただける場所は非常に少ないので、とても参考になっています。ありがとうございます。
自分は現在高校二年生の者です。ブログを読ませていただき、どうしても質問したいことが3つあったので質問させていただきます。長くなってしまうと思いますが、よろしくお願いします。
一つ目の質問です。
自分の通っている学校は大学付属で内部進学がほとんどという学校です。そしてそのほとんどが文系学部に進学しています。自分もその中の一人で、法学部を目指しております。
しかし、パイロットになるには、物理の知識が必要不可欠で、私は入学当時は文系に進むつもりでしたので物理の授業を履修しておりません。
航空大学校ならば、学部問わず知識があれば入れると聞いたので、独学で物理の勉強を始めたのですが、自社養成パイロットとなるとやはり文系学部からの合格は難しいのでしょうか。
大学を卒業し、航空大学校に入ると、その先でも親に金銭的な援助を受けることとなり、迷惑をかけてしまうので、できれば自社養成パイロットになりたいのですが・・・
二つ目の質問です。
独学で物理を学ぶならば一体どの程度まで学習すればよいのでしょうか。
力学・熱学などの初歩的な知識はあるのですが、航空宇宙工学・流体力学などの専門的な部分になるとわかりませんし、テキストだけの独学では限界があると思うので、よろしくお願いします。
最後の質問です。
自分は生まれつき喘息を持っており、ハウスダスト・花粉などのアレルギーも多々あります。
アレルギーについてはブログを拝見させていただいた限りでは、大丈夫だろうと判断したのですが、喘息については、喘息の人は無理と書かれている部分があったので質問させていただくことにしました。
喘息を持っているならば、本当に、パイロットにはなれないのでしょうか。
ブログのほうではなれないと書かれていましたが、どうしても自分でもう一度確認したかったので、質問させていただくことにしました。
喘息といってもその重さは様々で、自分の場合は走ったりすると発作は出るのですが、薬を吸入することで1分程で治すことが出来ます。また激しい運動をしない限りは発作はでません。
自分は喘息だからといって運動を避けていたわけでもなく運動部に所属していて、体力も人並み以上にはあると思うので、そういった部分でも喘息に打ち勝つことは可能であると思います。
また昔ほど発作もひどくなくなり、回復する可能性もあります。
過去に喘息だった場合、これから喘息が治ると予想される場合でもやはり無理なのでしょうか。
喘息に関しては専門的の分野ではないと思いますので、わからないかもしれませんが、喘息持ちのパイロットがいたり、可能性があるのならば「大丈夫」と、過去に前例がなく不可能であるならば、「無理」と明確に教えていただけるとありがたいです。
書いている間に聞きたいことがたくさんでてきてしまい、結果このような長文になってしまいました。申し訳ありません。
これからもブログにて様々な情報を提供していただけるのを楽しみにしています。ありがとうございました。
by みずとんぼさん
回答
みずとんぼさん、ご質問ありがとうございます。
まずは、喘息はだめだという僕の軽はずみな発言で君を不安にさせてしまったことに深く反省しております。本当に申し訳ない、該当する箇所は消去しておきました。
この喘息についてから回答を始めます。
みずとんぼさんもお分かりの通り、僕は医学に対しては全くの専門外です。にもかかわらずあんな発言をしてしまったことに問題があったのですが、まずはここをご覧下さい。
航空身体検査マニュアル
http://www.aeromedical.or.jp/manual/manual_2.htm
この不適合状態のところに気管支喘息があります。
さらに、項目3の「検査方法及びに検査上の注意」や、項目5の「備考」5ー1等を読むと、過去に気管支喘息の既往歴がっても現在が良好ならば良し、またコントロール可能ならば申請により良しとなることが読み取れます。
しかし、実際はどうなのか、やはり僕には分かりません。
同僚のパイロットの話も今まで意図して聞いたことがない話なので、やはり専門医に相談して下さい。
次に大学の学部について、自社養成試験を受ける際に文系学部でも問題ないのかという質問ですね。
結論から先に言うと、問題ないです。
法学部だろうと、経済学部だろうと文学部であろうともその学部を卒業して自社養成試験に受かっている人はたくさんいます。
現に僕の同期では理系卒は3割程度で、その他は文系学部出身の人達です。想像していたよりずっと文系の人が多いのではないでしょうか?
最初の座学の際には理系出身の人が航空力学をみんなに教える役目となるでしょう。
しっかりと法学部の勉強をして、自信を持って受験して下さい。
最後にどこまで物理の勉強をすればいいのか?という質問です。
高校2年生だというのに、素晴らしいモチベーションですね。
どこまでというのは難しいですが、まずしっかりとやって欲しいのは『力学』です。
大学入試レベルの力学で充分です。フライトをしながらでも、『どうして飛行機がこんな動きをするのか?』を説明してくれるのは力学です。
また流体力学もこの力学の基礎の上に成り立っているので、パイロット候補生になってからも力学の基礎があればずいぶんと楽になるでしょう。
それができたら次は航空力学を勉強してみて下さい。
力学がちゃんと理解できていればこれはすぐに解ると思うし、勉強していて非常に面白いと思います。
パイロットの教える航空宇宙工学でも紹介していますが、飛行機の運動が数式で表現できることはやはりすごい。
ここから先は趣味の世界ですね。
何かしておきたいと言うのであればやはり流体力学でしょうか?
この辺はお察しの通り、難しい。はっきり言って、僕もよくわかってません。
でも読んでおいて損はないので、趣味として勉強するくらいの心積もりでいいと思います。
さて、回答は以上となります。
最後にもう一度、僕の軽率な発言で君を不安にさせてしまったことに、深くお詫びしたい。
君のパイロットにかける熱い思いは充分に伝わってきました。喘息についてはぜひ専門医に尋ねて、正確な意見をもらって下さい。