訓練前の地上職について質問です。
こんにちは。いつも拝見させていただいております。
大手航空会社にパイロット訓練生として入社した場合、1~2年は地上勤務ということを聞いたことがあるのですが、具体的にはどのような部署に配属されるのでしょうか?
その部署でのスキルは、将来パイロットになった時に行かされるものなのでしょうか?
パイロット訓練生として入社した場合、その1,2年が一番モテるって聞いたことがありますが、どうなんでしょうか?
わかる範囲で教えていただければ幸いです。
By マリオさん
回答
マリオさん、ご質問ありがとうございます。
訓練前の地上業務、いい思い出です。今思えばあの頃が一番楽しかったような…。冗談です。
配属される部署は会社によっても違うと思いますが、僕の頃はほとんどが全国の地上係員でした。
いわゆる『グランドフタッフ』という職種ですね。
他にも整備の支援とかも聞いたことがあります。整備士ではなく部品の管理とかですね。
自社養成パイロットでは基本は1、2年でその仕事から離れて訓練に入るので、どこかの部署の支援という形が多いと思います。大学や航空大卒だとその期間が少し短くなると思います。
そこでの経験は『それなりに役には立つは必須ではない』というのが僕の感覚です。
パイロットはエアラインの運航の中でフライトの部分を担うわけですが、他の地上職の全ての人の仕事がフライトに影響します。
例えば羽田から伊丹に飛ぶとして、出発時刻になってもお客さんが来ないことがあります。
これは基本的にはグランドスタッフの仕事に起因するわけですが、そこにはグランドスタッフでないとわからない理由があったりします。
保安検査場が混んでいて仕方なく遅れてしまったとか、事故で公共交通機関が遅れていたとか、はたまたはグランドスタッフのミスで…ということもあるでしょう。
グランドスタッフの仕事をしたことがある僕はその辺の事情もよくわかっているので、『今日はお客さん遅れてくる人いるかもなー。伊丹はカフューが厳しいからハイスピードで飛べる高度と燃料を調べておくか』とか、そんな風にフライトに生かせるかもしれません。
または整備支援の仕事をしていたパイロットであれば、飛行中に何か部品が壊れてしまったとして、基本は次の到着した空港で整備することになりますが、『この部品は羽田と成田にしか予備が置いてないから次の便は出発が大幅に遅れるか、機材変更になるかも。ちょっとカンパニーに確認しときますか。』といったマネジメントが可能になるかもしれません。
その辺がサラッと考えられるようになるというのは他の仕事をしたメリットと言えますが、経験のあるパイロットはグランドスタッフの経験も整備の経験もなくてもそのような判断、マネジメントはできるようになるでしょう。
早い話、一度経験したら類似事象に対して次も同じようなことになるよなとわかっちゃうわけだからね。
だから必須、というわけではないけど、知っていて役に立つことがある、という感じです。
他に大きなメリットだと思うのは、自分の古巣だと知り合いもいるし、コミュニケーションが取りやすいので自分が何か勉強していて疑問が出てきたときに気軽に聞けるというのも結構役に立ちます。
機長昇格の訓練では『そんなのパイロットの規定にないよ』っていうものでも勉強しなければならなかったりします。
そこをよく知っている人に聞いて勉強しておくと知識に深みも出るし、もしもの時に役に立つことがあります。
>パイロット訓練生として入社した場合、その1,2年が一番モテるって聞いたことがありますが、どうなんでしょうか?
これは僕も聞いたことがあります。当時かなり期待していましたが、残念ながら(!?)僕には当時長く付き合っていた彼女がいたので全くその恩恵に預かれませんでした。。
でもこれは実際に正しい部分はあると思います。というより、パイロットとしてエアラインに入社してここの時期が時間も精神的な余裕もあって、また若いというタイミングが関係していると思います。
ここの2年間は女性が多い職場で働くことになりますが、この華の2年間が終わるとカビ臭い訓練生活に5年ほど入ることになります。
もちろん訓練期間中に異性と新たにお付き合いを始める…ということも全然ありますが、やっぱり訓練は大変だし、最初の2年の間の方がずっとその機会は多いということになるでしょう。逆に副操縦士としてチェックアウトしてからとなると、30歳手前になってしまいます。そうすると結婚が遅れてしまう人が多いですね。僕のように。
そんなところです。
言われてみると『そりゃそうか』という感じではないでしょうか?
またなんでも質問してください。