医学部からの自社養成パイロット
はじめまして、私は国立大学医学部5年の者です。
私は幼い頃より空に対する憧れが強く持っておりましたが、漠然とパイロットになるということは自分には不可能だという考えを何故か持っており、その次に興味を持っていた救命救急の道へ進もうと医学部に入学しました。
現在、来年の卒業後の進路を考え病院への就職活動をしております。自己分析をする中で、パイロットへの憧れが強く残ってることに気づき、少し調べる中で自社養成プログラムの存在を知りました。既に準備できる期間は短いものの出来る限りの努力をして、最後の可能性にかけてみたいと思っております。(航空大学校についても検討しております。)
そこで2点質問させていただくたいのですが、
1. ある方の記事で日本では医学部卒で自社養成プログラムの採用例がない。面接で厳しく問われる。ということが書いてあったのですが、医学部卒として受験するのは厳しいのでしょうか?また、それは航空大学校に関しても同じでしょうか?
2. 今から準備を始めたとして、来年夏頃にあると考えられる採用試験に準備を間に合わせることは可能でしょうか?
以上長文になりましたが、よろしければ回答よろしくお願いします。
By すねしょうさん
回答
すねしょうさん、ご質問ありがとうございます。
とうとう全国的に雪が降ってきましたね。僕も先日今季初のWinter Operaionを行いました。
飛行機は雪に弱い乗り物です。
翼ってよくできていて、あの翼型に沿って空気が流れることで必要な揚力を生み出し、飛行機は飛んでいます。
それが雪や氷で翼の形状が変わってしまうと、それが抵抗となり本来の揚力を得ることができなくなります。
もっとも厳しい条件である離陸時にそれが顕著に効いてきて、過去には雪が原因で離陸直後に失速して墜落してしまったという事故も起きています。
『クリーンエアクラフトコンセプト』と言いますが、飛行機の重要な場所に雪がついていない状態で出ていかないといけないんですよ。
前置きはこれくらいにして、本題ですね。
国立大学から自社養成に受かる可能性があるのか。
僕から見ればとても贅沢な悩みに見えますが、本人としては最後の選択の時であり、真剣な悩みなんだと思います。
あんまり聞いたことがない話ですが、4、5年前に同じことを質問してくれた人がいます。
僕の周りには医学部から自社養成に入ってきた人はいないけれど、その時に別の方が医学部から自社養成に受かった人がいますとコメントしてくれていました。
つまり①に対して、『可能性は十分にある』ということです。
次に②の今から準備して来年の夏の試験に間に合うのかということですね。
これは間に合うかどうかというより、相性の問題だと思います。
自社養成パイロットの試験は今まで受けてきたような『試験』ではなく、『就職活動』です。
つまり、『これだけの点数が取れたら合格』という性質のものではありません。
当然筆記試験や英会話面接では一定の基準がありますが、これに通ってからが勝負です。
航空身体検査に適合していることや、航空適性をもっていることもそうだし、面接で『この人に会社に入ってきて欲しいな』と思ってもらえなければいけません。
筆記試験に関して言えばもともとの学力にもよると思いますが、医学部に合格するような学力があれば十分でしょう。
1ヶ月も集中して勉強すれば8割から9割は取れるようになるんじゃないかと思います。
ただし、面接はさっきも言った相性の問題にもなってくると思います。
面接官との相性、自分の能力や性格とこの仕事との相性ですね。
だから準備期間として間に合うか、、というのは答えるのがちょっと難しいなと思います。
航空大受験に関しては自社養成よりも試験としての性質に近く、点数化されやすいと思います。
これも筆記試験は8割以上取れれば問題ないかと思いますが、過去問を一度解いてみて、その準備にどれくらいかかりそうか測ってみるのがいいと思います。
しかし航空大も筆記試験より、航空身体検査やその後の面接と適性がネックになると思います。
また面接の部分ですが、『なんで医学部からパイロット?』というのはやっぱり当然みんな気になるところだし、厳しく突っ込まれるというよりは、純粋な疑問は沸くと思います。それをしっかり自分の言葉で説明できることは必要だと思います。
そんなとこでしょうか?
時期的に最後の選択になるのでしょう。自分自身をよく見つめて、悔いのない選択をしてください。
ディスカッション
コメント一覧
現役の医師です。自分もパイロット志望で医学部時代に自社養成や航大受験を考えましたが、色々あって断念しました。医師免許さえとっておけば、就職で困ることはないので、医師免許は確実に手に入れた上でパイロットを目指すのがいいんじゃないかなと思いました。
by医師でエアラインPを目指した者より
コメントありがとうございます。
似た経験をお持ちの方の意見は貴重ですね。
やはり大変だったのでしょうか。確かに、医師免許を大学受験で言う滑り止めという感じでしょうか。
なんて贅沢な滑り止めなんだというところですが、やはりここで医師の道を捨ててしまうのはもったいないなと僕も思います。
そうですね。もう医学部を卒業なのでしたら、まずは医師国家試験合格を目指すべきでしょうね。ところで、医学部は6年生ですので、航空大学校は受験できるのが24歳までだったと思うので、次回の募集時には年齢制限にかかっているのではないですか?そうすると自社養成を目指すしかないと思いますよ。頑張ってください。
息子をパイロットにしたい眼科医さん
また鋭いご指摘をありがとうございます。
確かに、航空大学の令和4年度の募集要項を見ると”航空大学校に出願できる者は、平成9年4月2日から平成14年4月1日までの生まれ..”とありますね。
平成9年生まれが現在の24歳なので、このままの基準であれば24歳の歳が航空大最後の受験機会になると。
現役であれば大学6年時で満24歳なので、大学卒業の次の歳から航空大に入学となりますね。
医師試験は在学中にあるんでしょうか?いずれにせよ、タイトになりそうですね。。