コックピットのスイッチは全て使っているのですか?

2014-09-19

パイロットに憧れている中学生です。

コクピットの写真などを見ているとたくさんのスイッチがありますよね?
でも、シュミレーターや離着陸の映像を見ていると、そんなにスイッチを使ってない気がします。1回のフライトに全てのスイッチを使うのですか?

また、操縦桿とフラップとスピードだけで操縦することは出来ないのですか?
また、パイロットは1つ1つのスイッチの意味や言葉を完璧に覚えているのですか?
たくさん質問しましたが、答えてくれるとありがたいです。

By 飛行機LOVEさん

回答

飛行機LOVEさん、ご質問ありがとうございます。
うーむ、いい質問ですね。

その通り、旅客機のコックピットには頭上から後ろにまでスイッチがびっしり詰まっていますね。
「このスイッチ全部覚えないといけないのかよ」、とか思うかもしれませんが、その通り、覚えなければいけません。

コックピットにはスイッチもそうですが、不具合を知らせてくれるライトもたくさんついています。

例えば、「No2の電源に異常がありますよ」とかを知らせるライトもたくさんあります。
まあ最新の飛行機にはそれらの情報をまとめて画面に表示してくれるシステムもあるのですが、残念ながら僕の乗るB737という飛行機にはそれがついていません。

しかしそれら全てのスイッチをフライトで使っているわけではありません。

プリフライト(飛行前のセットアップ)でのみ触るスイッチもたくさんあるので、映像で見ているよりはずっと多くのスイッチ操作を毎フライト行っていますが、飛行機に何か不具合があった時に操作するスイッチもあるし、メンテナンスしか触らないスイッチもあります。

しかし、上のスイッチ全てがどういう状態にあるのかはパイロットは把握しておかなければなりません。
例えば整備士がメンテナンスのためにスイッチを操作して、それを本来あるべき位置に戻しておくことを忘れているかもしれませんよね。

だからパイロットは飛行前に全てのスイッチを確認します。大変そうですね。

しかしあれだけの量のスイッチをなんとなくで見ていれば必ず抜けがでるので、スイッチを確認していく順番が決まっています。

これをSCAN FLOWと言ったりもしますが、基本的には左から右、上から下に順番にスイッチを操作したり、あるべき位置にあるのかを確認していきます。

それが終わったらプリフライトチェックリストというものを用いて、もう一度スイッチ等を確認します。
たかがスイッチと思うかもしれませんが、間違えると大変な事態になるものもあります。

例えば、飛行機では与圧がされていますが、この与圧を動かすためのスイッチが入っていないと大変です。
また飛行機には同じようなスイッチがたくさんあって困ります。

間違えて切ってはいけないスイッチを切るってことも事故のもとです。

質問にもありましたが、パイロットはスイッチの名前や意味は必ず知っておかなければなりません。
さきほど挙げたライトの点灯する条件なども複雑なのですが、覚えなければなりません。
自分が何やってるかも分からずにスイッチを操作しているパイロットはいないでしょうね。

また最後に操縦桿とフラップとスピードだけで飛行機を操縦することはできないのかという質問ですが、まあこれにギアを入れてくれれば飛び上がって降りてくることはできます。

しかし例えば、飛行機は着氷といって翼やエンジンに氷がついてしまう現象に弱いのですが、着氷しやすい雲の中に入った時などはアンチアイスといって着氷予防のスイッチを入れないといけません。

でももしかしたら最新の飛行機はそれすら自動でできるものもあるかもしれませんが。

回答はそんなとこですね。
いい質問だと思います。もっともっと飛行機に興味をもって、たくさん勉強してください。