管理人はどの道からパイロットになるのがいいと思いますか?
こんにちは。現在中3の男子です。
いつも拝見させていただいています。
僕は母が全日空に勤務しているということもあって空の仕事に携わりたいと思っています。その中でもパイロットというのは魅力を感じて将来はキムタクのように太陽を手で隠してみたいなと思っています。
それで質問なのですが正式なエアーラインのパイロットになるためには色々な方法があると思います。例えば航大に入ったり、大学を卒業したあとに航空会社の養成を受けたり、、
その中でも最も完璧なパイロットになるにはどの手段が一番良いでしょうか?
法政大学などで行っている飛行訓練は外国では行われず日本で行われます。それは英語ではなく長官が日本語で喋ることにより、明確な指示を受けることができるという長所がある反面、英語力が鍛えられないという短所もあると思うんです。
やはり長期間かけて海外に留学して飛行訓練をうけて、資格を取得してパイロットになる、航空会社の養成訓練を受けるべきなのでしょうか?
僕は短期間で資格は取れても経験が乏しいと完璧なパイロットにはなれないと思うので三年ほど時間をかけてじっくり訓練し、パイロットになったほうがいいと考えています。
管理人の方はどうお考えでしょうか?
By ジャンボさん
回答
ジャンボさん、ご質問ありがとうございます。
中学三年生、モチベーションが非常に高いからこそだとは思いますが、僕はちょっと違った感覚を持っています。
まず、完璧なパイロットってなんなんだろう?
ドラマのグッドラックでも確かコウダさんがそんな言葉を口にしていたと思いますが、それって一体どんなパイロットを指すのか、僕にはいまいちピンと来ません。
また、「自分は完璧なパイロットです」と言ってしまう人の飛行機に乗るのは僕には非常に怖い。自信満々に悪天候の中に突っ込んで行って、事故を起こすのはそんな人な気がします。
常に「自分は間違っているかもしれない」と思う謙虚な姿勢は、安全の維持に繋がると思います。
じゃあ適当でいいのか、というとそういうわけでは決してありません。
僕が思うに(あくまで僕の主観ですが)、パイロットの能力は大きく言って知識と操縦技術の二つだと思います。
知識というとじゃあ暗記かと思われそうですが、まあ暗記も大事なのですが、それだけではありません。オペレーションや操縦に結びつけた知識が必要です。
例えば、飛行中にガタガタと揺れてきたとします。そんな時に気象の知識と、現在のフライトの状況を結びつけて、「この揺れは高度を変えれば収まるはずだ」とか、「今はジェットの境界を飛んでるから揺れてるけど、この高度でもう少し我慢すればおさまるはずだ」とか、知識によって取る選択が変わってきます。もちろん、その中で間違うこともあるでしょう。しかし、その失敗もフィードバックして、知識と経験を積んでいけばその精度も上がっていくでしょう。
また操縦技術も小手先のテクニックだけではありません。
アプローチ中に雲があって、地上で報じられている風と今の高度の風が大きく違う場合、その雲の境界(この高さも気温と露点温度から概算できます)辺りで風が変わるかもなーなんてイメージできれば、その少し前にパワーを足したり、ヘディングを風上に向けてみたりして、飛行機がトラックからずれる前に修正することができます。
いくら天性の才能があって操縦がめちゃくちゃ上手かったとしても、そういう操縦ができなければプロとは言い難いと思います。
話がそれてきましたが、それを踏まえて、無事に訓練が終わって、副操縦士としてライン運航に出て、その瞬間がゴールではありません。
日本では副操縦士として10年前後飛んで機長になるケースが多いですが、訓練生としての3年も、副操縦士としての10年も同様に自分の技量を磨く期間です。
うさぎと亀の話と同じですね。
訓練時代めちゃくちゃ優秀だった人が、パイロットになって勉強をやめてしまったら、亀に追い越されてしまうでしょう。
優秀なパイロットを目指すのであれば、「どこで訓練を受けるか」よりも、「自分が努力を続けられるか」の方がずっと大事です。訓練で教えてもらえる時間よりも、チェックアウトしてから自分で学んでいく時間の方がはるかに長いのです。
それがよく分かったならば、どの道を選んでも大差はないと僕は思います。
以上、長くなりましたが、もう一度考えてみて下さい。