管理人はヘリとヘリパイについてどう見ていますか?

こんにちは。楽しく拝見させて頂いています。また多くの夢ある若者の意見にもとても刺激を受けております。彼らの中から1人でも多くの人が夢を叶え、空の世界で活躍してくれる事を願っています。
本題ですが、管理人様からはヘリコプターという乗り物、ヘリの仕事、ヘリのパイロットというのはどのように見えておられますか?
当方ヘリのパイロットをしておりますが、ラインパイロットの方からはどのように見えておられるのかちょっと興味がわき質問してみました。
エアラインと同じく、ヘリの世界でもパイロット不足が深刻な問題になってきております。ですのでエアラインだけでなくヘリの世界を希望する若者も増えてくれる事を願っています。エアラインと比べリスクの高い仕事ではありますが、ヘリにはヘリの魅力があると私は思っています。
By ヘリオットさん
回答
ヘリオットさん、ご質問ありがとうございます。
ヘリパイですか、かっこいいですね。実は僕は友人の中にもヘリパイの方はいなくて(もともと交友関係も狭いのですが)、ヘリパイの世界のことはよくわかりません。自分の知らない世界のことを知っている人は面白いなーと思うのですが、深く考えたことがありませんでした。
同様にヘリについてもよく分かっていません。
まさに素人の感想ですが、あんなに重そうなものがローター回して浮くなんてすごいなぁと思います。また空港内でタクシー中にヘリを見かけますが、ローターの角度を制御して姿勢をコントロールするのだと思いますが、パイロットのコントロール、機体の設計と共に非常にセンシティブなんだろうなーとか想像したことがあります。
でもせっかくコメントを頂いたのでわからんわからんではもったいないので、僕なりに考えてみます。
一つ目に、飛行機とヘリコプターの違いについて。
飛行機のいいところは燃費が良くて、大量の旅客や貨物を長距離運ぶことができることだと思います。また、ヘリに比べて機内は静かなのかな?そうだとすると、やはりビジネスとしての旅客の輸送に向いているのだと思います。
一方ヘリコプターの長所はホバリングができることと、長い滑走路が不要なことでしょうか。燃費は飛行機に比べて(たぶん)悪そうです。だから、同じ場所に留まる必要がある災害救助や滑走路を必要としないドクターヘリなどの用途に向いているのでしょう。
エアラインパイロットは基本的に定期航空運送事業として、旅客や貨物を完全に快適に効率的に運ぶことを目的として仕事をします。
ヘリパイも上にあげたように災害救助や医療、報道などの目的に応じて、たぶんそれを専門とする会社に所属して、例えば救助のヘリパイは基本的には救助の仕事のためのフライトのテクニックを磨いていくのでしょう。
僕はヘリの操縦ができないし、ましてそのミッションに応じた操縦もできません。ヘリパイもラインパイロットのような飛行機の操縦はできないでしょう。
専門性に差はあれど、それぞれ自分の技能を磨いていくという面では、似たような仕事なのかなと思います。
次に組織について、少し耳にした話があります。
エアラインのパイロットは、基本的には個人よりも同期単位で成長することが望まれます。例えば僕一人が100レベルアップするよりも、10人の同期全員が10レベルアップすることの方が価値があります。
それは基本的にラインパイロットは同期内での競争がなく、訓練生の頃から全員が副操縦士に上がって、また同期内で切磋琢磨して、全員が機長に上がるのが理想です。これは少し特殊な世界だと思います。教官に教えられたことを同期に共有していなかったら、「なんでお前は共有していないんだ」とその人が叱られます。
しかしヘリパイはそうではないんじゃないでしょうか。◯◯さんは優秀だから、彼に上に上がってもらおうか、という組織は判断するものだと思います。
だから、昇格するには他の人よりも抜きん出なければならない。
どっちがいいというものではありません。エアラインパイロットは同期と競争しなくていいなんて気楽そうに聞こえますが、やっぱりみんなめちゃくちゃ勉強しています。でもやっぱり気楽な部分はあると思います。
僕が考えるのはそんなとこでしょうか?
ぜひとも、ヘリオットさんの思うヘリとヘリパイというものについて、教えて頂けたら嬉しいですね。