飛行機の動き、自由度
飛行機はみんなが運転する車とは全然違った世界で運動している。それを数学的に説明しよう。飛行機を操縦する上では非常に大切なことだ。
自由度って言葉をしってるかな?理系の学生じゃなければ聞いたことがないかも知れないな。
じゃあ次元って言葉は分かるだろうか?これなら聞いたことがある人も多いだろう。
僕らの暮らしている世界は3次元だよな?いちおう説明しておくと、
1次元: 線の世界…前に進むか、後ろに戻るかしか動けない
2次元: 面の世界…前、後ろに加えて右や左にも動くことができる
3次元: 立体の世界…上の面の動きに加えて上に登ることも、下に潜ることもできる。
ひどい図だけどイメージは伝わったかな?
これが次元であり、自由度だ。
もうすこしくどく説明しておくと(とても重要なことだからだ)、君が線の上だけを歩ける世界を1次元(1自由度)、前にも横にも進める世界を2次元(2自由度)、そして上にも上がれる世界(僕らが暮らしている世界だな)を3次元(3自由度)という。
では、車の自由度は何自由度か分かるかな?
…正解は2自由度だ。前に進むのと、横に曲がるのとだよな。
じゃあ飛行機の自由度は?
…3って言いたくなると思う。でもここが難しいとこなんだが、実は6なんだ。
何故だか分かるかな?答えは、『回転』だ。飛行機の操縦ではこの回転を考慮しなければならない。しかもその回転が3方向あるんだ。
航空宇宙工学ではその回転の方向には名前がついている。
ロール ヨウ ピッチ だ。
これも図を用いた方が理解しやすいな。
ロール
ヨウ
ヨウは飛行機を上から突き刺した軸周りの回転。つまようじで飛行機を上からつきさして、ぐりぐり回してみた時の動きだ。
ピッチ
ピッチは飛行機を横から突き刺した軸周りの回転。飛行機がバクテンするような動きだ。
イメージできたかな?
頼むから逆に分かりにくくなったとか言わないでくれよ。
実は飛行機のフライトコントロールはこの回転をコントロールすることによって、どっちに進むかをコントロールするんだ。
まあ今回はこの『自由度』って言葉と、飛行機は回転を入れて6自由度あるんだなってことが解ってもらえればいい。
飛行機のコントロールについては次回述べよう。
(注:ここでは自由度と次元という言葉を同じものとして説明していますが、小学生でもわかることを目指しているためにざっくりと説明しています。厳密に物理的な意味では違いますので、興味のあるかたは専門的に勉強してください。同様に車と飛行機の自由度の定義がこの記事では一致していませんが、感覚的に理解しやすいように誇張しています。)