自社養成の今後についてどう思いますか?

こんにちは。
私は、自社養成パイロットを目指している高校2年生です。
自社養成試験からパイロットになられた管理人様に質問があります。
このサイトでも紹介されているように、2030年頃までに現役のパイロットが多く退職することになります。
また、格安航空会社の登場によってパイロットの需要が拡大しています。
そこで、パイロットの人材不足が問題になっており、
その対策として、私立大学にパイロット養成コースが新設される動きが出来ています。
私は、この流れが続けば、訓練コストの高い自社養成パイロットがいなくなってしまうと思います。
管理人様は、このことについてどう思いますか?
また、自社養成パイロットの方は他のステップを踏んでパイロットになった方と違う良さはあるんでしょうか?
貴重な意見をいただければ、幸いです。
By 飛行機雲さん
回答
飛行機雲さん、ご質問ありがとうございます。
うーん、高校二年生、いい洞察ですね。そうやって未来のことを考えるのは非常にいいことだと思います。今からそんなくせをつけていくときっと将来大物になるでしょう。
まず結論というか、僕の考えからいうと、自社養成パイロットはなくならないと思います。
なぜなら、パイロットがどんどん足りなくなって行く中で、自社でパイロットを確保していかないと、たとえば急にある大学が「おたくにはうちの学生を行かせません」なんて言った場合に大打撃を受けてしまいます。そうでなくても、急に新しい航空会社ができて、「うちは他社の2倍の給料出しますよ」なんて言った場合にも優秀な学生はそっちに行ってしまう可能性が高いでしょう。
また自社養成パイロットをやめてしまうと、やっぱり必要になった時に次に始めるのが大変です。
訓練を行うには大規模な施設が必要だし、教官だって必要だし、航空局との関係もあります。
とりあえず辞めて、必要になったらまたぱっと再開というわけにはいきません。
一人前のパイロットを育てるには数年かかるわけだから、何か大きな変化があった場合に、それに対応するのにも数年かかるかもしれません。
フラッグシップキャリアのような航空会社がそんなリスクをとって、自社養成を辞めるとは僕には思えません。
次に自社養成パイロットの人が他のステップの人と比べてどんなよさがあるのかという質問ですが、
これは人にもよると思います。自社養成だからといって特に良さを感じない人もいるでしょう。
しかし一般的に考え得るものを列挙していくと、やはりまずは訓練費用でしょう。
僕もそうでしたが、経済的な事情で航空大学か自社養成しか選択肢にないという人は少なくないと思います。
次にそもそも自社養成試験は今は大手航空会社しかやっていませんが、そこに入社できるというところでしょう。私立大学のパイロットコースでは、大学卒業時に航空会社へ就職活動を行いますが、大手航空会社に行ける人はごくごく一部だと思います。
最後には技量や知識の問題もあるかもしれません。
決して自社養成パイロットの方が優秀であるというわけでなく、ANAの訓練のレベル、JALの訓練のレベルと、大学の訓練のレベル、航空大の訓練のレベル、それぞれ同じではないでしょう。
場所によって独自に「こんなことを勉強しないといけないんだよ」という多少のズレがあるかもしれません。
最終的に大手航空会社に就職するとして、自社養成であればずっとその認識でやっているので問題ないでしょうが、途中から入社する人には違和感が出るかもしれません。
キツいなと思う人もいるだろうし、なんだこの程度かと思う人もいるでしょう。
そんなとこでしょうか。
最近はパイロットになるため選択肢が増えたということはとてもいいことだと思います。
その中で君に合った選択というものがあると思います。
これから大学入試もあり大変な時期ですが、頑張って下さい。
応援しています。