パイロットと鼻中隔湾曲症
鼻中隔湾曲症について質問です。
今日耳鼻科で鼻の中を見てもらったんですがちょっと鼻中隔湾曲症だねと言われました。
マニュアルには極度の鼻中隔湾曲症はNGだと書いてありましたが実際は日本人の90%鼻中隔湾曲症の人だと書いてありました。
鼻中隔湾曲症はちょっとでもNGなのでしょうか??
それとも手術する条件付で合格なのでしょうか??
回答お願いします。
By コペンハーゲンさん
回答
コペンハーゲンさん、質問ありがとうございます。
鼻中隔湾曲症について。
まずこの鼻中隔湾曲症について僕の思うところを述べます。特に医師の意見を聞いたわけではありませんが。
鼻中隔湾曲症というのは、鼻の骨格が歪んでいるために、2つある鼻の穴が綺麗に対象になっていないことを指します。(正確には2つの鼻の穴の壁かな?)
そのために引き起こされる現象として、どっちかの鼻が常に詰まっていたり、軽度であれば呼吸する際に一方の鼻を通る空気の量が他方に比べて少ないということが起こります。
鼻中隔湾曲症であるかどうかは、レントゲン写真や、鼻の空気流量を測る検査でわかります。
航空身体検査では、レントゲンは間違いなくありますし、鼻の空気流量検査は会社によってはあったと思います。
鼻中隔湾曲症がパイロットの業務に与える影響は、単純に鼻での呼吸がしにくくなるというものではなく、圧力によるものではないかと思います。
ちょっと脇道にそらますが、飛行機は高度3万フィートもの上空を飛びます。この環境では気圧が低く、従って空気の密度が低いため人間は生存することができません。
エベレストに酸素マスクなしには登れないのと同じ理由です。
そのため高空を飛ぶ飛行機には必ずコックピットや客室を密閉して加圧するシステムがついています。
それにより地上に近い環境を作っています。
しかし、機体に穴が空くなど、その加圧システムを維持できなくなってしまった場合、我々をとりまく環境は人間が生きられないほど圧力が低いものとなります。
だから飛行機は人間の生存できる高度まで降りなくてはなりません。それも急激に。
圧力の低い環境から急激に圧力の高い環境に移る必要があるわけです。
すると人間の鼻や耳などの空洞に負荷がかかります。
細かい説明は省きますが、イメージとしては、ダイビングをした時に耳が痛くなったりしますよね?あるいは電車でトンネルに入った時にも耳が詰まる感覚があると思います。
あれと同じことが鼻にも起こります。その際に極度の鼻中隔湾曲症で鼻から空気の出入りがスムーズにいかないと、鼻の内部と外部で圧力差ができてしまい、痛みを伴ったりするわけです。
まあこれくらいざっくりと概要を頭においた上で本題に移りますが、軽度の鼻中隔湾曲症であればパイロットになるのに問題はありません。
かく言う僕も軽度の鼻中隔湾曲症があります。さらに花粉症とあいまって花粉の季節は片方の鼻が非常に不快です。
しかしながら上に述べたような事柄により、航空業務に支障がない程度であればOKというわけです。
また僕の知り合いにも、鼻中隔湾曲症の手術をするという条件付き合格をした人もいます。
従って、本当にどうしようもないくらい極度でなければ大丈夫だと思います。条件付き合格という例もよく聞くので、あえて自分で受験前に手術する必要もないのではないかと思いますが、やはり確実なのは航空身体検査の指定医、指定医でなくともまずは近くの耳鼻科で医師の意見をもらうのがいいと思います。