自社養成パイロットのインターンの面接について質問です。

管理人様

こんにちは。いつも為になる記事をありがとうございます。
パイロットに向いている素質について質問させて頂きたいです。

先日、自社養成パイロットのインターン面接を受けてきたのですが、不合格となってしまいました。
いつまでもクヨクヨしても仕方ないと思い、反省点を考えているのですが、実際に現場で働いている管理人様に意見を伺いたいです。

私の反省点は2つあります。
1つ目は結論ファーストで話せなかったのでは無いか、ということです。初めての就活面接で緊張してしまい、ハキハキと答えたつもりでしたが話が分かりづらかったのかもしれません。

2つ目は自分の性格がパイロット向きではないのかもしれない、ということです。グループ活動でどのような役割をしますか?という質問でサポートするのが好きと答え、その後も人助けが好きな事を強みとして話しました。

実際自分はリーダー経験があまり無く、裏方で支えるのが好きなので、無理にリーダーシップと飾って話すのでは無くありのままの自分を見てもらおうと臨みました。(リーダーシップをアピールする方は多いと思うので、違う切り口でアピールすれば差別化できるんじゃないか?といった気持ちもありました。)
しかし面接官の方にあまり興味を示して頂けませんでした。

前置きが長くなってしまいました。
管理人様から見てパイロットの仕事をする上で、周りを見て困った人を助けるという精神は合っているでしょうか?そのような意識が良いフライトに繋がった経験はお持ちでしょうか?

気温差が激しい日が続いているので、お身体にお気を付けください。
よろしくお願い致します。長文失礼しました。

By 国千さん

回答

国千さん、ご質問ありがとうございます。
今回は残念でしたね、自社養成のインターンもかなりの倍率になると聞きます。

そもそも優秀な人でも通るのが難しい試験ですが、面接、また性格についてですね。

まずはリーダータイプとサポートタイプ、どちらがパイロットに向いているのかというところですが、どちらが向いているということはないと思います。

今はCRM、MCCという概念がパイロットに重要だとされています。

CRMについては別の記事でも書いていますが、MCCはそれをさらに発展させたもので、大手航空会社はもちろん、中堅子会社もこれを取り入れています。

ざっくりと言ってしまうと『機長と副操縦士で協力してフライトをする』という身もふたもない当たり前のことなんですが、この要素を分解していって、それぞれのスキルが習得されているか、足りない部分はどこかを毎年のチェックで見られます。

飛行機のコントロールのうまさとかは『テクニカルスキル』
コミュニケーションやマネジメントのうまささとかは『ノンテクニカルスキル』として設定されていて、今まではテクニカルスキルに注目されていたパイロットの能力を、ノンテクニカルスキルもちゃんと評価していきましょう、というものです。

例えば優秀な機長が1人でフライトをどんどん決めて進めていくことは求められていなくて、自分が間違っていた時に副操縦士に間違いを指摘してもらえる関係性、状況を作ることがパイロットとして必要なスキルになってきたということです。

むしろ前者のような機長は総合的な能力として低評価を受けます。

と、ここまでは前提の話で、パイロットに求められている能力、性格とはそういうもので、このMCCのスキルの中に『リーダーシップ』というのも入っていますが、一般にグループ活動でリーダーをやった経験云々とはちょっと意味合いが違います。

じゃあ学生時代にリーダーをやった経験は意味がないのかとそういうものではなくて、これが面接の難しいところだと思いますが、面接というのは自分のいいところを相手によく知ってもらって、この人と一緒に働きたいなと面接官に思ってもらうことが第一の関門、その上でそれがパイロットのスキルと通じていればちょっといいじゃん。そういうものだと思います。

つまりパイロットに向いた性格をしている、というのはまずはこの人に会社に入ってきて欲しいと思った後にくるもので、絶対的に適性がないというわけではないならば、教育で後で身につけていって貰えばいいわけですよね。

そういう意味合いでは、リーダー経験がある人も、サポートしてきた経験をある人も、どちらも立派な経験で、試験において優劣はないと思います。

ただ、その仕事を自分がどのように捉えていて、だからどのように頑張って、工夫して、失敗して、そこから何かを学んで、自分がどのように変わったのか。それをしっかりと説明できるか。また相手を引き込むような話し方のテクニックもあるでしょう。

そしてそれが相手に伝わって、共感されたり、「こいつはすごいな」と思わせたりして、次も面接に来て欲しいな。一緒に働きたいなとなっていくんじゃないかと思います。

質問に直接答えてはいませんが、面接とはそういうものなのかなと思います。

僕が昔失敗した経験ですが、面接において「これが正解」と正解探しをしてしまうと、途端にありきたりな、人間味の感じられない面白くない話になってしまいます。
人間だからいいところも悪いところもありますが、最低限その人間味が伝わらなければ、評価の土台に乗れません。

以上、面接は正解がないからこそ難しいですね。
参考にしてみてください。