自社養成パイロットの採用がある意味はなんでしょうか?

タイトル通りなのですが、企業側が自社養成パイロットをとる意味はなぜだとお考えですか?
航空大やそのような学科がある大学等、いくつかの選択肢があり、
莫大なお金をかけて自社でパイロットを要請するメリットが思い浮かばないのですが、なぜなのでしょう?
ご回答宜しくお願い致します。
By Hiroshiさん
回答
Hiroshiさん、ご質問ありがとうございます。
うーん、難しい質問ですね。
僕も少し考えてみましたが、いくつかその理由を挙げてみましょう。
まず、自社養成が始まった経緯についてですが、昔は今みたいにパイロットを養成してくれるような大学などなく、航空大が民間では唯一のパイロットのリソースでした。
そんな中で航空会社が安定してパイロットを確保するために自社養成が始まったんだろうと思います。
ではパイロットコースのある大学がたくさんできた今は自社養成はなくなるのか?というと、なくならないと思います。
スカイマークも自社養成を始めましたよね。
その理由ですが、会社が飛行機を飛ばすためにはパイロットの存在が必要不可欠です。
というと、「何当たり前のことを言ってんだ。」と思われそうですが、少し広い視点で考えてみて下さい。
会社がその事業計画を考える時に(特に僕はその専門家ではないですよ)、例えば「再来年には一日に500便くらいの運航がしたくて、それには飛行機は何機必要になるなぁ。そうなるとパイロットの数はこれくらい必要なのか。」なんて考えになると思いますが、そのパイロットの数は急には増えません。
訓練に3−4年かかるとすれば、それを見越して採用を行わないといけませんよね。
自社養成試験を行えば毎年1000人近い大学生が受験しにくるので、その中から見込みのある人を選べます。いや、選びたい放題ですよね。
つまり、企業としてやって行きやすいんじゃないかと思います。
と、ここでそれだったらパイロットコースのある大学でよくないか?とも思います。
大学だってそのコースが存在してくれる以上安定した人数のパイロット候補者を作ってくれますものね。
しかしだからと言って自分の会社の将来を大学のパイロットコースに委ねようとするのは企業としてどうなのかなと思います。
大事なパイロットは自社養成、航空大、民間大学、民間のフライトスクールと様々なソースから選ぶのが健全でしょう。
またもう一つ、自社養成のメリットとしては均質で高いレベルの教育を行うことができます。
座学学習もみっちりやって、基礎訓練も会社が選んだ教官をつけることができます。
また指定養成という資格をとれば(会社がとるものです)、パイロットのライセンスを与えるチェックも当社の機長が行うことができます。
怖い言い方をすれば、そのどこかのステップで適性がないと判断されれば、パイロットの道は閉ざされてしまいます。
厳しいですが、人の命を預かる以上、向いていない人は淘汰されるのは仕方がないことだと思います。
話がそれてきたのでこの辺にしておきましょう。回答は以上です。