NCAパイロット募集とパイロットの転職について
少し時間が経ってしまったけれど、NCA:Nippon Cargo Airlinesという会社がパイロットの採用を募集している。
応募資格のところを見て貰えば分かるが、これは自社養成パイロットとは違ってライセンスをすでに持っている人、かつ、副操縦士として発令後3年、飛行時間で1500時間以上の経験を持っている人を対象にした採用だ。
NCAっていうのは貨物専用なんだけど、パイロットの中でも割と人気の企業で、パイロット仲間では『あの人NCAに行ったらしいよ』とかいう話を聞く。
人気のある理由は色々あると思うけど、ジャンボ(B747)に乗れることや給料が他と比べていいことが大きいのかなと思う。たぶん大手航空会社とあんまり変わらない給料だと思う。いやもしかしたら深夜の勤務や長距離フライトが多い分多く貰ってるんじゃないかな、とも。
一方でみんなが一般にイメージするお客さんを乗せるエアラインってわけじゃないから、やっぱり興味のないひとは興味は興味がないんだろうと思う。
さて募集要項に話を戻すが、 このNCAの募集では『副操縦士として3年以上の経験』と書いていることから、他のエアラインから転職してくることを前提とした募集になっているわけだ。
飛行機時間で1500時間っていうのもあるけど、普通は1年に600-800時間くらい飛ぶのでこっちに引っかかる人は少ないと思う。
僕はこの募集をみて、『NCAってちゃんとした会社だなー』って思ったんだけど、この『3年』ってこの業界ではよく言われることなんだ。
ご存知の通り、パイロットの訓練ってお金と時間がかかる。
せっかく自社で訓練してもその後すぐに他のエアラインに転職されては大損だし、それがスタンダードになってしまうとどのエアラインも自社で訓練するよりも他の会社から引き抜いた方がお得じゃんとなって、モラルハザードを起こす。(一部の大手は例外として)
だからパイロットの中では副操縦士や機長に昇格して最低3年はその会社で働くってのが暗黙の了解、みたいになっている。
たまにこれを破って出ていってしまう人もいるんだけど、この業界は狭いから悪評がたつと後になって自分が痛い目に合うかもしれないんだよな。
そんな中で『3年』ってしっかり基準を出して採用をしているのは、とてもいい会社だなと思う。
もちろん、経験の少ない人はいらないという意図なのかもしれないが。
パイロット全体としては2010年のJALの破綻、またLCCの台頭からパイロットの転職は当たり前になってきている。
職業選択の自由っていう立派な権利だってあるし、少しでも条件のいい会社に、または自分にあった会社に転職して行くのは当然の権利だと思う。
『発つ鳥あとを濁さず』
自分の行動を客観的にみて決めることが大切なんだと思う。
ディスカッション
コメント一覧
将来、747のパイロットになりたいのですが、いつ頃までNCAでは747を使用していると思いますか??
また、大手からNCAに移る方も多いのでしょうか?
リリさん、コメントありがとうございます。
747、やっぱりいいですよね。パイロットの中にも747ファンは多いです。
現状日本の航空会社ではジャンボに乗りたければNCAを選ぶしかありませんね。
いつまでNCAは747を使用するのか、、正直分かりません。
でも貨物をたくさん積むほど利益が上がるとして、現在のボーイングシリーズでは747が最大だし、ボーイングからエアバスに鞍替えするのはハードルもそこそこ高いことを考えるとまだしばらくは747を使うんじゃないかなと思います。
逆にボーイングが747以上の積載量と燃費の飛行機を出してくれば乗り換えない理由はないのかなと。
大手からNCAへの転職は、あんまり聞いたことがありませんね。
パイロットの転職はその転職先でチェックフェイルするリスクもあるので、相応のメリットがないと転職を考えないこともあるでしょう。
パイロットの転職について
こんにちは。
日本国内でプロペラ機を運行している航空会社はいくつかありますが、当該航空会社のパイロットがジェット機を操縦したいという事でジェット機を持っている航空会社に転職する事は実際あるのでしょうか?
返信が遅くなってすみません。
プロペラ機からジェットへの転職はあります。
やはり2010年のJALの経営破綻からそれが顕著になり、さらにLCCが出てきたことでより良い給料を求めたり、大きな機材に乗りたいと転職を重ねるパイロットが増えてきました。
個人的にはその流れはいいことだと思っています。
これにより、適正な給料を出さない、またはひどいスケジュールばかり組ませる会社はパイロットの流出に遭うことになるからです。
数年前ですが、パイロットが流出して欠航便を出してしまった会社もありましたが、パイロットの転職が自由になることでパイロットにとってはよりフェアな環境で働くことができるようになります。
返信ありがとうございます。
時代の流れと共に航空業界も変革しているんですね。
パイロットにとってキャリアアップを図ることは大切だと思っています。
これからもエアラインパイロット目指して頑張ります。