パイロットのメガネはどこで作る?
初めまして。
パイロットになりたい、といってもみなさんの本気度とは違って自家用の免許を取って楽しみたいと考えている社会人です。
質問があるのですが、航空身体検査をうけようとしていてふと思ったのですが、管理人さんをはじめ、ここにおられるパイロットの皆様はめがねを作る際にチェーン店でつくるのでしょうか?
それとも個人経営の店か、そもそもこだわりがないのでしょうか?
こんなことをお聞きするのは、店によって検査項目が違っていて、それが飛行機に乗るものとして適切なめがねを作れるのか否かの判断に迷っているからです。
また航空身体検査受けるために作るめがねですので、度付きのサングラスではなくクリアーなめがねを作るべきでしょうか?
みなさんの意見、アドバイス、使っている店など教えていただければ幸いです。
By Bluesideさん
回答
Bluesideさん、ご質問ありがとうございます。
息子をパイロットにしたい眼科医さん、早速のアドバイスありがとうございます。
僕からのアドバイスは、、ありません。
深く考えずに、チェーン店で作っていました。
次からは認定眼鏡士のいるお店で作ります。
またサングラスについては、メガネとは別に必要です。
フライト中の日射は地上とは比較にならないくらい厳しいです。計器が見えなくなってしまうので、日中のフライトでサングラスをかけないパイロットはほとんどいないと思います。
また強い日射は目の神経を傷つけるようで、健康のためにもサングラスは必要だと思います。(この辺は眼科医さんが詳しいでしょう。)
僕は普段からコンタクトをつけないので、サングラスを度付きにしています。
他に選択肢としてはコンタクトに普通のサングラス。メガネに被せるタイプのサングラスがあるかと思います。
僕からは以上で、以下に専門医のコメントを残します。
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Bluesideさん
また管理人さんからアドバイスがあるかと思いますが、眼科医の私からもアドバイスを。
パイロットに限らず、メガネをどこで作れば良いかですが、当然、きちんと検査が出来るところで作りましょうという事になります。本来は眼科で検眼をして眼鏡処方箋を持って眼鏡店で作るのが正しいのですが、眼科でもきちんとした検査を出来ないところもあると思います。眼科で検査をするのでしたら、専門職である視能訓練士のいる眼科がよいです。ただ、正しい眼鏡処方箋を持っていっても、眼鏡店によっては作製の技術が悪く下手なメガネが出来ることもあるかと思います。例えば、顧客の希望や在庫の関係で顔に合っていないサイズのフレームを使うとか。
眼鏡店で直接作る方も多いですが、その場合は特に若い方の調節力などを考慮せずに過矯正のとんでもないメガネが出来ていることもあります。
現在、眼鏡作製技能士という資格の新設が眼科では問題になっていますが、眼鏡を作製する上で眼鏡店を選ぶ一つの目安にはなると思います。
現在は、認定眼鏡士というそうですが、
https://megane-joa.or.jp/roster/
で検索できます。
この方々の技術を私が保障するわけではありませんが、それなりの勉強はされていると思いますので、安売りチェーンの店頭で薄利多売の店の若手スタッフよりは信頼が置けそうです。社員教育をしていないのか、ろくに視力も測らずにメガネを売りつける店もありますので。
ちなみにわが家は、メガネのヨネザワというチェーン店で作っています。もちろん、チェーン内でも技量に差がありますので、当たり外れがあります。上手な方を見つけられると良いですね。
航空身体検査には、メガネは予備も含めて2本必要ですが、サングラスだと視力測定では見えにくくなって不利ですし、そもそも夜間飛行などに向いていません。息子には通常のクリアなメガネ2本と、度入りサングラス1本を買ってあげました。サングラスは周辺がカーブしたデザインのものだったのでレンズが割高でした。一時的な使用ならクリアな度入りメガネレンズの上に被せるタイプのサングラスもあります。また、眩しさよけとして眼鏡店では偏光レンズを勧められることもありますが、パイロットは偏光レンズはNGだそうです。
あと、左右差が2D以上あると、不同視になり追加の検査が必要でしょうし、下手に度が強いものができると眼鏡の度数基準そのものをオーバーする可能性もありますので注意しましょう。
By 息子をパイロットにしたい眼科医
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ディスカッション
コメント一覧
息子をパイロットにしたい眼科医さん
詳しい御解答、ありがとうございます。非常に参考になりました。
一口に眼科医や眼鏡店と言っても、ちゃんと資格の有無も確認しなくてはならないようですね。そもそも名前すらきいたことがありませんでした。
眼鏡はクリアーなレンズのものを用意しようと思います。一日中、高高度で飛ぶ予定は今のところありませんので(笑)
飛行機に乗るための道具の一つですから、手を抜かずに調べてみたいと思います。
アドバイスありがとうございました。
(Bluesideさんからのコメントを転記)
管理人さん
太陽による障害は直視による黄斑障害と、紫外線による角膜障害などがありますね。
そういえば、偏光レンズがNGな理由ですが、以前偏光でないほうが他機を見つけやすいというのを見たことがありますが、他にもモニター画面が偏光レンズの軸との関係によっては暗くなって見えなくなると書いてありましたが、実際どうされていますか?
息子をパイロットにしたい眼科医さん
コメントありがとうございます。
パイロットは訓練時に偏光レンズは不可と教育されます。
そのため僕も偏光レンズを使ったことがないので、本当に計器が見えにくくなるのか、本当のところは分かりませんが、航空医学センターがやはり同じようなことを言っているようです。
https://www.aeromedical.or.jp/circular/documents/31gou.pdf
実際には訓練機材によっても機体によってアナログな計器を装備しているものと、デジタル表示をさせる機体があります。旅客機ではほぼ全てがデジタル表示です。
このデジタル表示の計器が見えないかもということでしょう。
他には偏光レンズだと他の機体の反射光が見えなくなることがあるとありますが、フライト中は他の機体を早く見つけるテクニックが重要です。
特に訓練中はVFRという『パイロットが自由に飛べる』方式で飛行訓練をしますが、この場合飛行機同士の衝突の可能性が高まるので、目視で確認して避ける技術が必要です。
試験時に『ヘッドオン』と言いますが、他機と正面衝突のコースに入ると自分が悪いわけではなくとも危険行為とされチェックフェイルです。
管理人さん
ありがとうございました。
https://talex.co.jp/blog/?p=6424
モニターが暗くなって見えにくくなるのはこんな感じだそうです。
メガネのレンズの中の色に注目されてください。