副操縦士1年目で言われてよかったこと

今パイロットになりたいと思ってこのブログを読んでくれている人は、もの凄い熱量で頑張っていると思う。

色々情報を集めて、自分に足りないものを補って、やっとパイロットへの扉を開く。

でもそこが目的地なんかではなく、そこから厳しい訓練が始まるし、フェイルしてしまうこともある。

訓練中はそれこそ人生で一番辛かった時期だと僕も思っているし、同時に人生で最も充実した時間だったと思う。
そして人生で一番勉強をした。

でもそんな苦しい時期もいつかは終わって、晴れて3本線をつける日が来る。
副操縦士昇格の日だ。

でも同時に、機長昇格という次のレースが始まる。

こっちのレースはパイロットになれるかどうか、という副操縦士昇格ほどの厳しさはないが、距離が長いため漠然とした不安に襲われる。

身につけるべき技術や、勉強するべき範囲が多すぎて
『一体何からやればいいの?』
と、僕も感じていた。

そんな時、会社でも有名な厳しいキャプテンとフライトが入った。
失敗したり、勉強不足と思われるとキレて、フライト中ずっと怒鳴られ続ける地獄のフライトとなるんだけど、フライト中に思い切って聞いてみた。

『勉強することがたくさんありすぎて何をやればいいのか難しいなぁって思うんですよ。』

そしたら彼はなんて言ったと思う?

彼は平然と、当たり前のように言った。

『全部だよ。』

『俺はそうした。ここで機長になれなかったらもうパイロットやめるってつもりで目に付くもの全部勉強したよ。』

僕はそこでちょっと反省した。
弱気になって、近道を探しているようじゃダメなんだ。

小賢しい考えを持っていた自分が、この人を前にして恥ずかしいとも思った。

年々で機長になりたいのかにもよるけど、最短で昇格したいならば一才妥協せずに、全力で全部やらなきゃなれるわけないんだよね。

僕は幸いにも最短で機長になれたんだけど、そこまで立派なことができていたわけじゃない。
怠ける時は怠けたし、失敗もたくさんしたし、機長昇格訓練でもめちゃくちゃ苦労した。

でも根底の部分で、あの日言われたことはずっと残っていたので、このブログを読んでくれている人にも言っておきたい。