MPLについて質問です。

こんにちは。いつも拝見させていただいております。
僕も皆さんと同じくエアラインパイロットを目指しているのですが、ANAも航空大学校も二次試験で不合格となり、あとはJALの採用復活を願うしかない状況です。
しかしJALはナパを閉鎖してしまい、訓練も凍結しているのでしばらく採用しないのでは、と絶望を感じていたのですが、調べているうちにMPLの存在を知りました。
MPLを導入すれば訓練施設がなくてもある程度は訓練できると思ったのですが、このMPLという制度が現在どの程度エアラインに導入されているのか調べても把握できませんでした。まずは法案として国会に認められなければエアラインに導入されることはないと理解しているのですが、現在このMPLはどの程度導入が進んでいるのでしょうか?
内部のことで外部に出すことはできないかもしれないので、答えられる範囲でよろしいのでお願いします。
by しゅうしさん
回答
素晴らしい、質問者の方からMPLという言葉が出てくるとは思いませんでした。
よく調べましたね。MPLについて知らない方も多いと思うので少し説明しておきましょう。
以前説明したことがありますが、現在旅客機のパイロットになるには、その第一段階として事業用操縦士という資格を取る必要がありました。
航空法で決められていますが、この事業用操縦士の資格を持っているとできることが5つあります。
1.自家用操縦士の資格を有する者が行うことのできる行為
2.報酬を受けて、無償の運航を行う航空機の操縦を行うこと
3.航空機使用事業の用に供する航空機の操縦を行うこと
4.機長以外の操縦者として、航空運送事業の用に供する航空機の操縦を行うこと
5.機長として、航空運送事業の用に供する航空機であって、構造上1人の操縦者で操縦することができるものの操縦を行うこと
これを読むと解る通り、副操縦士としてエアラインの航空機の操縦を行うには上の④だけでいいわけです。
そして最近の航空需要や団塊の世代のパイロットの退職により大量のパイロットが必要になってきたことを受けて、早く安く訓練を行えるということでその資格が生まれました。それが准定期運送用操縦士(MPL)というわけです。
日本でも最近その法案が通りましたし、ドイツのルフトハンザなどではすでにMPLによるパイロットが養成されています。
さて、ここからがしゅうしさんが質問されている日本での導入についてですが、先ほど述べた通り法案はすでに通っています。最新の航空法(本として購入できます。いらないけど。)ではもう准定期運送用操縦士って言葉が載ってるんじゃないかな?
じゃあエアラインではどうなのか?
もちろんどこの会社はどうとかいう話はできませんが、導入されるでしょう。競争が激しくなっていく中、わざわざ高いお金と時間をかけてパイロットを養成するなんてナンセンスです。訓練カリキュラムも、よく考慮されています。
実際、どこかの会社が導入を検討しているという話を結構前に聞きました。むしろ、どこも検討しているでしょう。
でもいつ導入が始まるか、という問にはさっぱりわからないので答えられません。
しかし今受験をされている人達にとってはまだ先の話だろうと思います。
しゅうしさん、今回の受験で不合格と聞いて僕も非常に残念です。
でも一度就職をして、その後転職によりパイロットになったという人もたくさんいます。
僕に言われるまでもないのかもしれませんが、情報には敏感になっていて下さい。どんなチャンスが転がっているかわからないですから。