パイロットの血液検査

2011-04-01

航空身体検査の中でも血液検査についてまとめてみる。これは心がけ次第でなんとかなるものだ。

この血液検査は毎年航空身体検査に通ってる我々でもいい気がしない。

血を抜かれる瞬間に『最近運動してなかったからな~』とか、『ここ数日肉ばっか食っちまったな』とか思っちゃう。

たぶん、これからパイロットになろうと思ってる君達も非常に気にかかるところだろう。
航空医学研究センターが公開している航空身体検査マニュアルでは、血液に関しては…

1. 血圧異常

 収縮期血圧160㎜Hg未満、拡張期血圧が95㎜Hg未満かつ、自覚症状を伴う起立性低血圧がないこと。

とある。
起立性低血圧ってのは、安静にしていて急に立った時に、急激な血圧低下を起こすことをいう。

まあ要するに、高血圧の人と立ちくらみを起こしやすい人はダメだと言っている。

2. 脈管障害
『動脈硬化』って言葉は聞いたことがあると思う。動脈の内側 にコレステロールがたまり、血管に負担がかかる。

そして血管の内部が狭くなる。血液の通り道が狭くなるわけだから、血液による酸素供給が滞り、臓器や筋肉などが酸素不足や栄養障害を起こして傷ついてしまう。

こういった疾患があると航空身体検査は不適合となる。

3. 血液に関して以下の状態にあると不適合となる
3-1 航空業務に支障を来すおそれのある貧血
これは分かるよな。コックピットで倒れられると困る。
3-2 急性白血病
これも知ってるよな。
3-3 骨髄増殖性疾患
血液中の細胞が、骨髄で異常増殖を起こす疾患のことだ。
3-4 リンパ増殖性疾患
リンパってのは外敵を撃退する免疫機能と組織内の水分や老廃物を運搬する機能を持つ。
このリンパに障害が出る病気で、リンパ浮腫とか、リンパ節炎などがある。
3-5 骨髄腫及びその類縁疾患
これはガンの一種だ。
3-6 止血異常及び凝固異常
これはいいよな。血が止まらなくなる病気のことだ。
4. 臓器障害のおそれがある高脂血症
血中脂質を調べる
5. 常時インスリン又は経口血糖降下薬を必要とする糖尿病
血糖値だよな。
6. アレルギー疾患
これも血液検査でわかる。

言っておくが、僕は医学の専門家ではない。

これら上の情報は医学に関しては素人の僕が調べたものだが、航空医学研究センターのホームページに行けばもっと詳しく分かるだろう。

読んでみればわかると思うが、3番目の疾患以外に関しては生活習慣によって予防できるということが言える。

『身体検査はどうしようもないよ』って思っていた人もいると思うが、努力で何とかなるものもあると知ってほしい。