頭の良し悪しで片付けるな

2011-04-21

「自分はそんな頭よくないからなぁ」ってのを言い訳に何かを諦めたことはないだろうか?

そんなもったいないことはない。そもそもそんなやつは考えることを放棄してるだけだ。
そもそも、『頭がいい』ってこんなにあいまいな言葉はない。

『勉強ができる』これもまだあいまいだ。

思うに、僕もいろんな場面で『頭がいい』って言葉を口にするけど、その中でも圧倒的に多いのが、『情報処理能力がある』という意味だと思う。

余計に意味がわからなくなったかな?

例えばお勉強。パイロットでもお勉強は必要だ、試験もたくさんある。

試験で点数が取れない人は「俺頭悪いからなぁ」っていう。

たぶんこの人はこの先も一生点数が取れなくて「俺頭悪いからなぁ」って言い続ける。

本質が見えていないんだ。
『頭が悪い』ですませちゃうと、『何がダメなのか』、もう分からない。

お勉強って、
1.知識を取り入れて(インプット)
2.頭の中で整理して(整理)
3.必要な時に取り出す(アウトプット)
この3つの作業のことなんだよ。

情報を早く大量にインプットして、それを整理して記憶して、必要に応じて取り出す能力だよ。反復すればするほど、この作業が速く確実になる。
これができるやつは、別に頭がよくなくたって「あいつは頭がいいよな」とか言われるわけだ。

もし君が『お勉強ができない』のなら、上のどこができてないのか考えなきゃいけない。

例えば、数学の問題で参考書を読みまくって自信満々でテストに臨んだけど、テストで点数取れなかった。ここで「自分は頭が悪いんだ」って諦めてしまう人もいるし、根性のある人はさらに違う参考書を買ってきてまた読みまくる。

経験ある人もいるんじゃないかな。でもやっぱり点数は上がらない。

この場合の問題は、アウトプットができないことなんだよ。
いくら知識を詰め込んでも、アウトプットする練習をしとかなきゃテストって点数取れないんだよな。

彼に必要なのは、参考書を読むことじゃなくて、実際に類似問題をたくさん解くことだったんだ。

『何がダメなのか』ちゃんと考えなくちゃいけない。

そもそもの知識が足りてない人はもっと本読んで知識を入れればいいし、頭の中で整理できてないやつは友達と問題を出し合ったりして整理すればいい。

答えを読んだら「あぁ~これ知ってたのに」ってなっちゃうやつはもっと問題を解く練習をしないといけない。

実は、フライトも一緒なんだ。
たとえば着陸操作。やっぱり当然、インプットから入る。
教官にお手本を見せてもらったり、プロシージャーを覚えたり、航空力学的に考えたりする。

次は、イメージフライトで知識の整理をする。高いアプローチになってしまった時はピッチを下げてするとスピードが増えてくるからパワーを絞って…なんて寝転がって考えたもんだ。

で、アウトプットは実際のフライトだ。
やっぱりここが難しい。もちろん、インプットができてなきゃ本番でできるわけないし、かといって準備万端で行っても、その日の風や飛行機の重さなんかで操縦の感覚が変わってくる。失敗したら家で何で失敗したのか、次はどうすればうまくいくのか、それを考えて、イメージフライトにそれを取り入れて、次は絶対に失敗しないって状態でまたフライトに挑む。

フライトについては分かり易いよな?

まあフライトに関してできなくても「俺頭悪いから…」って言い出すやつはそうはいないけど、勉強になるといるんだよな。

わかったかな?

頭の良し悪しで片付けちゃいけない。そんなの逃げるための口実にしか聞こえない。

昔教官がこんなふうに言っていて印象に残っている。
『頭が悪いやつは勉強すればいい。フライトが下手なやつは練習すればいい。でも、健康だけはどうにもならない』

当たり前のことなんだけど、ほんとにその通りなんだよな。

しっかりと自分のこと客観的に分析して、努力と根性で割となんとかなる。

自分を客観的に分析できなくても、同期との関係がうまく機能してれば同期が指摘して正してくれる。

健康だけはどうにもならないってのはまた深いんだけど、これはまた別の機会だ。