女性パイロットについて

私は女の身なのですが女性パイロットについていくつかよろしいでしょうか。
現在も女性パイロットとして活躍されている方は何人かいらっしゃると聞いたのですが男性と違って不利になることや大変なことはありますか。
また、子供を授かってからパイロットとして復帰するのは可能なことなのでしょうか。
答えにくい質問で申し訳ないのですがよろしくお願いします。
By ばーどさん

回答

ばーどさん、質問ありがとうございます。
女性パイロットについて。
実は僕もそこについては詳しくはないのですが、分かる範囲でお話します。
最初に、まず間違いなく言えるのが、女性がパイロットになれなかった時代はもう終わったということです。
少し前に日本初の女性キャプテンが誕生しました。
欧米ではもちろんとっくにいましたが。
まずはこれについて少し話しましょう。僕の個人的な見解も入っていますが。
現在世界的にも航空会社に限らず、女性に対する職が開けてきていることはご存知ですね。
しかしその中でも航空会社にこそ、その必要性に迫られています。なぜなら、サービス内容で他社と差別化を図りにくい航空会社では、会社のイメージが顧客獲得競争の中でものをいうからです。
ドラマGood Luck放送後のANAの旅客数の増加を想像して下さい。
そんな中、「どこの航空会社が日本初の女性キャプテンを出すか」みたいな空気が当時ありました。
『日本初の女性キャプテンがうちの会社からでました』なんてでっかく広告を打てるわけですからね。
それは彼女にとっては不本意なことだったのかもしれませんが、これからの女性パイロットにとっては道を切り拓いてくれたと言えます。それくらいインパクトのある出来事でした。
従って現在パイロットを目指す女性にとっては、あくまでも過去と比べてですが、追い風となっています。
さて、質問の回答に入りましょう。
僕の後輩に女性パイロットがいます。
伝え聞いたことですが、彼女は精神面で苦労していたようです。
このページでも何度も話してきたことですが、パイロットの訓練は甘くない。できないことだらけです。
そして、本当にできなければこの世界を去るしかない。
そんな中で心の支えになるのは同期の存在です。当然ですが、同じ苦しみを経験するし、他の仕事と比べてパイロットの訓練は同期と一緒にいることが格段に多い。
訓練が始まったその日から毎日、同期と膝をつき合わせてミーティングをします。
そんな生活がおそらく君たちの時代でも続くだろうと思います。そんな中、周りの同期はやはり男が多い。
僕が察するに、彼女はそこで同期との壁を取り払えていないんだと思います。
なんだそんなことかと思われるかもしれませんが、それは君が想像しているよりもずっとつらいかもしれない。
他に不利になることや苦労することは特に僕には思い浮かびません。
もちろんそれは僕が男だからかもしれませんが。
でも、むしろ女性だからという理由で苦労するなんてことは本来あってはならなくて、あるとすればそれこそ君に切り拓いて欲しい。
次に出産後の職場復帰について。
これについては全く知らなかったので少し調べてみましたが、JALの女性パイロットで、出産後職場に復帰した人がいるようです。
ANAの方はそもそも女性パイロットが現れるのが遅かったのでまだなのかもしれませんが、そのうちでてくるでしょう。
うちの会社では、(どこでもそうだと思いますが)女性パイロットに対して、出産休暇や育児休暇が整備されています。
以上、前例もあるし、システムも整備されている。
でも実際のところはどうなのか、それは人間関係の問題もあるので、やってみないとわからないことなのかもしれません。
以上はっきりしないことばかりの述べてしまいましたが、飛行機の操縦に関して女性が不利になるようなことは何もありません。
しかし人数が少ない分、前例が少ない分、女性がパイロットになる上で嫌な思いをすることもあるでしょう。
でも僕は、そんなのはフェアじゃないと思います。
厳しいことを言うようですが、君が本当にパイロットになりたいのならば、自分がこれからの航空業界を変えていくだというつもりで頑張ってほしい。
応援しています。頑張れ。