燃料の重要性
ガス欠は死を意味する。それが車と飛行機の大きな違いだ。
『あと何分飛べるのか?』
非常時にはこれを常に考えながら飛んでなくちゃいけない。
何故なら、燃料が切れると飛行機は落ちるからだ。これは車のドライバーとの決定的な違いであり、パイロットが神経質にならなければならないことの一つである。
『ガソリン減ってきてるけどまあ大丈夫だろう、どっかで入れれるだろうし』って思って車に乗った経験のある人は多いだろう。でも飛行機ではそんなことはできない。
出発前にも、出発空港から到着空港に飛行するのに必要な燃料の量と、それに航空法で決められた予備の燃料(これは空港上空でのホールディング等に使う)、さらに天気を考慮してキャプテンやディスパッチャーの判断でプラスアルファを積むか決める。
でも、燃料積むと重くなるから燃費が悪くなる。だから本音を言えばあんまり積みたくない。そこまで考えていくらの燃料を積んで出発するか決める。
また飛行中、目的地の空港の天気が悪くなってきた。考えないといけないのは、燃料だ。
ダイバートの候補として挙げられる空港の天気と、そこに行くのに必要な燃料は?
また目的空港でホールディングするなら今の燃料の量からして何分間ホールディングできるの?
さらに緊急事態だ。飛行中にキャビンのドアが吹っ飛んだ。どこに降りる?燃料は?
燃料が足りるかどうかだけではない、この場合は燃料を捨てることも考えないといけない。
何故かわかるかな?
燃料は、燃えるからだ。燃料を残して着陸すると、機体にダメージがある時には燃料に引火する可能性がある。だから、この場合燃料はなるべく少なくしたい。
もう一つ、燃料が満タンだと重すぎて着陸できないことがある。こういうのを、『最大着陸重量』っていう。
イメージできたかな?燃料ってものすごく大事なものだ。実際、残燃料量を把握できてなくて、空港の数マイル手前で墜落した航空事故もある。
飛行機に乗る場合は燃料って大事なんだなと、心に留めといてほしい。