パイロットを目指す覚悟について質問です。

初めまして、憲伸と申します。
いつもブログ楽しく拝見させていただきます。たくさんのお便りに一つ一つ丁寧に答えられていてそれが、この上ないほど貴重な物なので頭が上がりません。良ければ、私にもアドバイスいただきたいと思いコメントさせていただきました。

私は現在大学1年生で、パイロットになりたいと考え航空大学校への入学を考えています。しかし、それはそこまで意志の固い物ではなくなれたらすてきだと思う程度です。他の仕事でもいくつかやりたい職業はあります。

そこで質問させていただきたいのですが、こんな生半可な覚悟で航空大学校で学びを続けていけるか不安になってしまったのです。また私自身、好きなことは誰よりも努力することが出来ると自負しており、「絶対に自分を普通だと思うな」の記事にも書いてありましたが、自分を特別だと考えています。しかし反面だらしない一面もあり一点集中型の傾向があります。

これらを矯正していくのが訓練でもあると思うのですが、パイロットになれたらすてきだなと言う程度の動機で訓練は乗り越えられないのではないかと思ってしまいます。
訓練の途中でこれから命を預かるパイロットになるという自覚は芽生えるでしょうか、やりがいは感じられるのでしょうか。お教えいただきたいです。

初めて、インターネット上にコメントを書き込むため読みづらい点、不快に思われる点もあるかもしれません、アドバイスいただけると嬉しいです

By 憲伸さん

回答

憲伸さん、ご質問ありがとうございます。
ブログを読み込んでくれているようで嬉しく思います。

最近暇なこともあって、ブログの記事の見直し、書き直しをしています。
絶対に自分を普通だと思うな」の記事も書き直しをしてみたので、よければまた読んでください。

実はこの辺は10年くらい前に書いていたもので、僕も若かったなぁと思いながら読み返しています。

前おきはこれくらいで本題です。
パイロットを目指している、仕事に魅力を感じている今の時点で人の命を預かる覚悟っていうのは、持ってなくて当然だと思います。

むしろ、まだその技術を持っていないのに『自分は人の命を預かって安全に飛べる!』なんて言われてもなぁ。
って思いますよね。

ただし、訓練はキツいと思います。
『人の命を預かって安全に飛ぶ』ための技術と知識を身につけるため訓練であり、その資質がないとみなされた場合にはエリミネート、パイロットになる道は閉ざされてしまいます。

訓練の途中でこれから命を預かるパイロットになるという自覚は芽生えるのか、またやりがいが感じられるようになるのか、それは君次第だと思います。

キツい訓練が進むにつれ、また過去の悲惨な事故の知識を積み上げるにつれて、人の命を預かることについて考えさせられると思います。

また今はコロナ禍で行けないと思いますが、JALの施設にJALの123便、御巣鷹山事故の機材の破片や乗客の方の遺書などが展示されていて、一般にも公開されています。
これは僕も見学に行きましたが強烈に空の安全への意識を感じました。

機会があれば見学しに行くことをお薦めします。
また、ナショナルジオグラフィックの『メーデー』などの動画を見てみるといいと思います。

しかし、絶対パイロットになってやるという気持ちの部分がなければそんなモチベーションも湧かないだろうし、訓練が順調に進めばいいですが、厳しい状況になった時に乗り越える力が出て来ないかもしれません。

訓練に入る前には、この『絶対俺はパイロットになってやる』という気持ちがあることが大事だと僕は思います。

まだ大学一年生、高校を出て新しい世界がどんどん広がる時期だと思います。
大学生になれば周りに本当にいろんな人がいるし、いろんなことができるようになります。

小さい頃からずっとパイロットに憧れていて、その夢を叶えた人もとても立派だし、数ある職業の一つとして、いろんな世界を経験して、いろんな考え方を知った上でパイロットを選ぶというのも正しいことだと僕は思います。

今はコロナでなかなか外に出るのが難しいですが、まだまだこれから。いろんな経験をして、いろんな世界を知って、いろんな考え方を許容できる人間になって、その上で決めてください。