大学卒業してからパイロットになるには

初めまして。noriと申します。
現在27歳で来月には28歳になります・・・
今からエアラインパイロットになるのは、現実的に難しいのでしょうか?
航空大学には年齢制限にて受験できません。
新卒で自社育成を受けましたが残念な結果になりました。
先日に国内線に乗り、空に魅了されて、しまっていた感情が一気に開放されました。
無理を承知で何度も航空大学に電話し、校長とアポをとってますが、未だ実らず。
このサイトを拝見させて頂いて、自分で資格をとりパイロットになる道もあると知りました。
30歳前半からパイロットになる方々もいらっしゃるのでしょうか?
長文になってしまい申し訳ないですが、ご回答の程よろしくお願いいたします。
by noriさん

回答

noriさん、質問ありがとうございます。
30歳からパイロットを目指す方法について。
返事を書くのが遅くなってしまいましたが、関連する事項について先に僕の考えを読んでみて下さい。
これからの航空産業はどうなっていくのか~未来~
結論から言うと、これから先、自費でのパイロットライセンス取得者へのチャンスは増加してくると思います。
なぜなら、上に述べたように現在様々な新規航空会社が現れてきており、彼らには自社でパイロットを要請する経済的余裕がない。
というよりも、現在(これまでは)日本では自社要請によるパイロットの誕生が一般的ですが、海外においてはむしろそれはマイノリティの部類に入ります。
その理由としては、日本国内でパイロットのライセンスをとることの難しさが挙げられると思います。
日本で飛行機を飛ばして訓練すると、アメリカのそれと比べて2倍程(たぶん。調べてはいないですが)の費用がかかります。
そんな理由で日本国内ではライセンサーが極端に少ない。
さらに戦後から独占的に利益をあげてきた大手航空会社は自社で海外にパイロット要請施設を作り、独自に定めた技術的基準を満たすパイロットを育てることができました。
しかし、参照の記事に紹介したように、大手2社体制が崩れてLCCを含む新規航空会社が現れてきた現在においては、上に挙げたようなパイロット要請システムは費用がかかりすぎるため、真似できない。
現状では、海外からライセンスを持った外国人パイロットを雇ったり、退職した大手航空会社のパイロットを再雇用したりしています。
その中の一部分に過ぎなかった、自費ライセンス取得者の割合が、これから先は増えてくると考えてるのは自然なことでしょう。
したがって僕の考えでは、これから先、日本人でパイロットのライセンスを持っている人に対してのチャンスは、急激に拡大するのではないかと考えています。
ここまでは楽観的な話です。ここからは悲観的な話となります。
NORIさんもそうだと思いますが、以上に述べたような嬉しい時代に入りつつあるけれども、それでもそのスタート地点であるライセンサーになるための壁は依然として高いと思われます。
おそらく普通の人は日本国内でフライトの基礎訓練をして、プロのパイロットとして飛べる『事業用操縦士』のライセンスを取得することはできない。
事業用操縦士の資格を取るには、最低でも200時間の飛行時間を持っていないと、その資格の受験すらできません。これは航空法により定められています。
もっとも現実的な方法は、アメリカなど海外のフライトスクールに行って、カリキュラム化された訓練を受けてその資格を取り(アメリカ航空局:FAAの資格になります)、日本の資格に書き換えを行うことでしょう。
その費用については、以下のサイトを参照しましたが、500万円近くかかるようです。そしてここからさらに現地でも生活費、日本と往復する際の交通費がかかります。
<SERENDIPITY AVIATION: http://serendipity.ne.jp/charge.html>
時間的な側面を見ても、これらの資格をとるのに1年では厳しいでしょう。
つまり、現状においてパイロットのライセンスを取得するためには、800万円ほどのお金と、1~2年程の時間を差し出さなければならないということになります。
これは僕の感覚ではやはり厳しいと思います。
これだけの投資をしても、100%パイロットになれるとは限らない。
それでも僕はこのチャンスにかけている人をたくさん知っているし、もっと海外に目を向ければ可能性は広がります。
例えば、「別に日本の航空会社で就職できなくても、英語もできるようになったし海外の航空会社に行くか」とか、そのまま海外で飛行教官になって、フライト時間を稼ぎながらエアラインに採用されるチャンスを待つという選択肢もあります。
回答は以上となります。現状に関しては述べましたが、あとは自分の中でどこまでリスクを取れるかだと思います。
さらに人によって年齢的な制約もついてくると思います。
何歳までならパイロットを目指せるというのは一概には言えません。これも前例の話をすれば、僕の知人で31歳の自費でのライセンス取得者が国内の新規航空会社に採用されましたが、それがよくあることなのかは私にも分かりません。
パイロット留学のために自分の経歴に穴が空いてしまう現実もあります。そんなバカなことを気にしてるのは日本人くらいだと腹が立ちますが、事実として自分がそのリスクをとるのは怖いと思います。
最後になりますが、僕の個人的な感想うとしては、『それでもやる価値があるほどこの仕事は面白い』と思っています。
以上のことを参考にして、再度考えてみて下さい。