Flight simulator

2011-08-17

今日はフライトシミュレータについて話そう。Microsoftのゲームじゃなくて(といってもゲームと言えないほど高性能だが)、パイロットの訓練に使う超高性能のシミュレータだ。
興味がある人は、まずはどんなもんなんか写真を見てくれ。

Googleで「フライトシミュレータ」と検索して、「画像」のタブをポチッと押してくれたらたくさんでてくる。

よくテレビとかで言ってるよな?パイロットは実機じゃ危険な訓練をフライトシミュレータによって行っていると。

例えば、離陸直後のエンジン故障とか、飛行中のエンジン火災なんて実機じゃ怖くてできないよな。誰だって下手くそな訓練生のために、自分まで死にたくはないだろう。
さらによくテレビで聞くのは、このフライトシミュレータを動かすのに1時間に何十万円ものお金がかかるって話だ。

本当に何十万もかかるのかは僕にも甚だ疑問なんだけど、やっぱりこのフライトシミュレータはすごい。

何がすごいのかって、すごいのはその再現性だ。

コックピットの中の計器の配置や操縦桿はもちろん現物そのままだし、前方180°はちゃんと窓になっていて、景色も現実の風景そのままだ。
例えば、羽田空港の駐機場からちゃんとスタートして、滑走路も世界中の空港のものを再現している。

まあこの辺はMicrosoftのフライトシミュレータもそうだよな。でもこのシミュレータのすごいのは、人間の錯覚をうまく使って、「感覚」をも再現した点だ。

加速すると人間はちからを受けることは知っているかな?例えば、車で急発進したら体がシートにぐっと押さえつけられるよな?あれがその加速による力だ。

そして人間はその加速による力と、重力による力を見分けられない。

つまりどういうことかというと、人間の感覚では、前に加速してシートに押さえつけられているのと、自分が座っている椅子が上に傾いたためにシートに押さえつけられているのと同じなんだ。

フライトシミュレータは、動き回るわけにはいかないから加速しているという現象は再現できない。そのかわりに、フライトシミュレータの箱自体を上に傾けて、その加速している感覚を作りだしているんだ。

例えば、テイクオフの瞬間は飛行機は加速するから、みんなシートに押さえつけられるよな?

フライトシミュレータでは、テイクオフ際にパワーを入れるとフライトシミュレータが上に傾く。
すると中のパイロットには背中がシートに押さえつけられて、本当に滑走路を加速して走っているように感じる。

さらに目の前のディスプレイはちゃんと滑走路を走っている映像が流れるもんだから、人間の感覚は完全に騙されて、本当に飛行機に乗っているような錯覚をするんだ。

さらに滑走路を走ると、滑走路上のライトを踏んでガタガタ機体が震えるけど、あの感覚までもが再現されているからもはやすごいとしか言いようがない。

飛行機のヨーイング(参考:ラダーの役割)に対しても、ちゃんとフライトシミュレータは箱を左右に振ることで再現してくれる。

だから、エンジンが1つ止まった際のヨーイングもしっかり再現して、パイロットは本当に感覚からも異常を感知できるというわけだ。

昔は空の日とかに宮崎空港で無料でやらせてくれたりしてたらしいんだけど、今でもやってるのかな?

本当に面白い経験だから、チャンスがあればぜひやってみてほしい。