コロナウイルスによる航空業界への影響 2021/8月

コロナによる航空業界への影響について、これはみんなも興味のあるところだと思うし、これから航空業界を志す人にはその現状をよく知って欲しいので、定期的に記事にして行きたいと思う。

まずはコロナ当初に書いた記事がこちら
僕は当初は楽観的だったんだけど、だいぶ予想を外してしまってお恥ずかしい。

直接は関係ないけど、航空業界マップも合わせて見てみてほしい。

それで、今日の本題だけど、経済産業省が航空運送業へのコロナ禍の影響についてのレポートを発表している。
よくできたレポートだからざっとでも目を通してほしい。

ここから一つ図引用する。

『航空旅客運送業の国際・国内比較』

航空運送旅客数の変化

出典:旅客運送業へのコロナ禍の影響とは_経済産業省

衝撃的なチャートになっていると思う。
コロナ前の2019年に対して、2020年10月時点で国際線で100分の1程度、国内線は2020年後半から持ち直してはいるが半分程度だ。

注意してほしいのが、これは『旅客数』をプロットしたものであること。
現状、国際線は旅客よりも貨物で稼いでいるので、エアラインの懐事情としてはこれほど酷くはないはずだ。(そう思いたい。)

2010年の10月以降のデータがないんだけど、僕が主に担当している国内線においては8月まではいいペースでお客さんが戻ってきたと感じることはあったけど、緊急事態宣言でまた減った、というのが実感だ。

多分今後もそうやって波を打ちながら回復すると思う。

国際線に関しては、大型機を担当している同期によるとお客さんはからっきし、だけど貨物で結構乗ってるから、便にもよるだろうけど黒字らしいと言っていた。

国際線の旅客が回復するのは、いつになるんだろう?
国が発表していた航空需要は後進国の急激な発展により訪日旅客が増えることを前提にしていたと思うし、後進国はワクチンの普及や医療の発達も日本ほどではないだろうし、後何年かかるのか。IATAとかが予測しているけど、予測も難しいなーと僕は思う。

調べると航空需要の回復は2024年以降だとするのが現状多いと思う。
観光産業ニュース 世界の航空需要の回復は2024年夏か

で僕の考えはというと、業界全体でのダウンサイジングが必要になるんじゃないかと思っている。
個人的にはとても残念だけど。

理由はビジネス需要が減ること。
もちろん大きな額の取引なんかは現地で顔を見てやる必要があるとは思うけど、もうすでにコロナで2年近く企業は出張を減らしているわけだし、多分それでもビジネスとしてはうまく回ってるんじゃないかな?

リモートワークがどんどん普及しているように感じるし、するとより一層移動時間やそれにかかる費用が見直されることになるんじゃないかな。

だからビジネスとしての出張は必要最低限でいいじゃんとなると思う。
国内線も国際線も。

これは特にビジネスクラスなどで大きな利益をあげているANA、JALにとって痛いだろうと思う。

もちろんもっと明るい未来が来るかもしれないし、暗い未来が来るかもしれないんだけど、先は見えないんだから、会社を潰さないためにも一時的には守りの姿勢、ダウンサイジングに動く会社が増えるんじゃないかなと思う。

機材や路線を減らしたり、人員を減らしたり。
それで減った旅客数でも利益が出るようにする。
それで利益を積み上げて、旅客が増えてきた時にまた拡大する。

なんだか暗い話になってしまったけど、僕は1パイロット。経営に関しては素人の考えだ。
どんな意見でもいいから、業界の未来についてコメント欄で教えてもらえると嬉しく思う。