パイロットの一日のスケジュールを教えて下さい。

こんにちは 現在高校2年の者です。
初質問なのですが、エアラインパイロットの1日のスケジュールはどうなっているのか教えていただけませんか?
例えば朝何時に起きて何時に出社して勤務時間は何時間で帰宅は何時など
わかる範囲で結構なので教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。
by ようさん
回答
ようさん、ご質問ありがとうございます。
いい質問ですね、パイロットの一日のスケジュールについて。これはみんな知っているようで知らないものの一つだと思います。
国際線と国内線では一日のスケジュールが全然違うのですが、今日は国内線のスケジュールについてお話しましょう。先に断っておきますが、結構きつい。決して優雅な仕事ではないことを知ってもらえればと思います。
さて、まずが勤務パターンから紹介しましょう。
だいたい一ヶ月分のスケジュールは前月の終わりにでます。有給申請はさらにその一ヶ月くらい前にする。これは働いている人ならば分かると思いますが、相当難儀なものです。もちろん土日休みというわけではないので、他職種の友人とは休みがなかなか合いません。
休みを合わそうと有給をとるにしても、二ヶ月も前から申請しないといけないし、大抵の人は二ヶ月先のスケジュールなんてほとんど分かりません。
また有給申請をし損ねた場合、友人に来月のゴルフの誘いなんかを受けても、月末になるまで参加できるかがわからないし、この仕事では地方でのステイ(フライト先でのホテル泊)が頻繁にあるので、夜飲み会に参加できるかすら直前まで分からないことがあります。
次にパイロットは朝何時に起きているのか?
これはその日のフライトによります。国内線の飛行機は何時から何時まで飛んでいるか知っているかな?
だいたい朝早い便で六時過ぎで、夜遅い便では十時過ぎくらいだ。で、だいたい朝一の便を飛ぶパイロットはそのまま同じ飛行機に乗り続けて次の便も続けて昼過ぎまで働く。
例で言うと、朝6時半の羽田ー新千歳便を操縦して、午前8時の新千歳ー羽田便にそのまま乗務する。そして羽田に午前10時半前に(おや?と気づいた人はいるかな?新千歳ー羽田便の方がフライト時間が長い。日本では東に向かってジェット気流が吹いているから、東行きでは飛行機はその分速く進むんだ。)到着する。そのまま疲れを感じながらも次の11時半発の羽田ー那覇便を飛んで、14時半に沖縄について、その日の仕事を終える。
上の場合だと朝4時前に起きて午前5時にはもう空港に着いていて、今日のフライトの準備をする。今日の天気はどうなのか?雲に入って揺れてしまうのか?じゃあ高度何フィートを選べるば揺れが少ないのか?滑走路の工事など特別な知らせは出ていないか?自分が乗務する飛行機に放射性物質などの危険物が搭載される予定はあるのか?飛行機は前日に故障などを起こしていないか?燃料はどれくらい積もうか?…などを考えておいて、機長とブリーフィングを行う。
それが終わったら飛行機のもとへ行って、コックピットのセッティングやオートパイロットの入力(飛行機に積んであるコンピュータにどの経路を飛ぶかの情報を入力します。)、管制とのやりとり(目的のルートで飛んでいいよという許可が必要になります。)、飛行機の外部点検、各部品の作動テストなどを行っているうちにもう出発の15分前になって、コックピットと客室の準備ができたら旅客の搭乗が始まります。(この間客室乗務員も本当にバタバタしながらフライトの準備をしています。)
旅客の搭乗が終わって客室乗務員からそのサインをもらったら、エンジンをかけてタクシーを始めます。(空港内を動き回るのにも管制官の許可が必要になります。)滑走路に着くまでに飛行前の全てのチェックリストを終わらせて、CAから客室の準備OKのサインをもらって、管制官から離陸許可をもらってやっと離陸ができます。
目的地に着いたらまた次のフライトの準備を行います。さっきのフライトで異常はなかったか、次のフライトは予定していたままでいいのか?(朝一にその日の全てのフライトの予定を立てておきます。)また機長は外部点検を行って、旅客を乗せて次のフライト…と、かなり忙しいです。
14時半に沖縄に着いた後は機長とデブリと呼ばれる今日の反省会を行って、タクシーに乗ってステイ先のホテルに向かいます。ここからは自由時間。15時に仕事から開放されて、海に行ってもいいし、買い物に行ってもいいし、女の子とデートしてもいい。
でもこっちは朝4時に起きてるもんだから、とにかく眠い。そしてさらに悲しいことに、多くの場合次の日も朝5時起きだったりするから、そんなに無茶して遊ぶこともできない。
だいたいはホテルでゆっくりして、元気があればちょっと外出して、早めに晩御飯を食べて寝ます。飯はキャプテンと二人で行くこともあれば、キャビンの女の子と大勢で行くこともあります。もちろん一人で寂しく居酒屋に行くこともしょっちゅうあります。
と書いているとパイロットになりたい人の夢を奪ってしまっていそうで怖いですが、まあだいたいこんな感じです。でも面白いですよ、この仕事は。
また今のは朝一のフライトをするパイロットの一日を描いてみましたが、昼過ぎのフライトから最終便まで働くパターンと、大きく分けて2通りあります。その場合は14時のフライトから始まったりするので、昼まで寝てることもありますし、朝速く起きてジョグに行くこともあります。サーフィンにいっちゃう奴までいます。
その場合は夜11時くらいに仕事が終わるので、だいたいはステイ先では晩御飯だけ食べて寝ます。
だいたいこんな感じでしょうか?昔はステイ先で一日休みがあったりもしたのですが、最近はそんな贅沢はなくなってしまいました。ホテルもそんなに豪華なものではありません。
確かに一昔前に比べればパイロットは高給取りで労働時間も少なく…という時代ではなくなってしまいましたが、それでもこの仕事の面白さは全く減らない。ぜひともパイロットへの扉を叩いて下さい。