航空宇宙工学を勉強して役に立ったことを教えて下さい。

いま高校1年なのですが、そろそろ学部や大学を決める時期です。
パイロットになるためにはどの学部でも構わないとおっしゃいましたがやはり大学から飛行機の研究をしていきたいので航空宇宙学科に進みたいと思います。
そこで質問なのですが、航空宇宙学科に所属していてパイロットとして役にたったことはありますか?
もしあるならば、どのように役に立ったか具体的に教えてください。
By SOH0555
回答
SOH0555さん、ご質問ありがとうございます。
航空宇宙に進みたい人が増えるのは嬉しい限りです。
さて、僕が大学で航空宇宙工学を勉強していて役に立ったことについて。
はっきり言って、目に見える形で役に立ったことはそんなに多くありません。
まあその中でも僕が良かったなと思うところをいくつか挙げましょう。
航空宇宙工学科では基礎として航空力学を学びますが、これはパイロットになってからも必要で、もちろん訓練時代に教えてもらえます。
航空宇宙工学科の学生であれば常識のように知っている揚力の式や、ベルヌーイの定理なんかはふと頭の中で考えことをする時にすぐに出てくるので便利です。
飛行機の操縦は当然力学に基づいて行われます。
詳しくはこのサイトの航空宇宙工学のところを読んでほしいですが、例えば「ランディングを行うときは速度を落とすから、揚力の式から、飛行機を支えるためにはピッチをあげてやらないといけないんだよなー。」なんてことが力学からしっかりと理解できていると、いざランディングをする時に何かあって焦っても、逆操作をすることはほぼありません。
まあ着陸は単純な例ですが、飛行機の動きを力学で理解できているというのは非常に大切なことです。
これが航空宇宙工学を勉強していると簡単にできると思います。
また役に立ったとは思わないですが、例えば飛行機を作る構造の強度を考える構造力学という科目も勉強するし、さらにその土台になる材料力学も勉強します。
他にもオートパイロットの中身がどんなプログラムになっているのかとか、まあ当然ですが飛行機に関することをたくさん勉強できます。嫌という程。
表だって役に立たないかもしれませんが、自分の命を預ける飛行機のことをよく知っておきたいというのは自然なことだと思うし、将来不足の事態に陥った時にその知識が役に立つかもしれない。
また友人も飛行機の設計や整備を仕事にする人が多いので、他のパイロットが聞けないような話が聞けることがある。
そんなとこでしょうか。
どれも必須ではありませんが、僕がまた学部を選び直すとしても、また航空宇宙工学を選ぶでしょう。
以上、とても面白く、チャレンジングな分野なのでぜひとも挑戦してほしいと思います。頑張って下さい。