非常事態の頻度について質問です。
非常事態が起こる頻度について質問です。
テレビでは、よく「飛行中にエンジンが止まってしまったが、奇跡的に帰還した」など、飛行中のトラブルについての話がでますが、
実際に飛行中にエンジンがとまったりなどの、異常事態が起こる確率はどれぐらいなのでしょうか?(本当に小さな異常事態も含め)
回答おねがいします。
By 目指せパイロットさん
回答
目指せパイロットさん、ご質問ありがとうございます。
非常にいい質問ですね。順を追って回答しましょう。
まず、wikipediaによると(NTSBからの引用ですが)飛行機に乗っていて死亡事故に遭遇する確率は0.0009%のようです。事故率は発展途上国で高く、先進国で低いので、日本の場合はこれよりもずっと低い数字になると思います。8000年以上毎日飛行機に乗って、一回事故に遭遇するかしないかという確立みたいです。
じゃあエンジン故障はどうだろう。
これはつい最近にありましたが、非常に稀なケースです。
双発機ではエンジンが一つ止まると緊急事態となりますが、客観的なデータがネットにないか探してみましたが見つけられませんでした。
しかし僕が入社当時聞いたことのある話では、パイロット人生30年かそこら飛んで、自分の同世代のパイロットが一人経験するかしないかくらいの確立らしいです。
まあ正確なのかはわかりませんが、そんな話もあるというくらいで。
しかし、エンジンが一つ故障しても、飛行機は安全に降りてこられます。
パイロットはそのための訓練を受けているし、基本的に双発機は1エンジン故障してもどこかの空港に安全にたどり着けるエリアしか飛行できないように航空法で決まっています。
次に本当に小さな非常事態を含めると、どれくらいになるのか。
航空局が発生データをまとめています。
http://www.mlit.go.jp/common/001097162.pdf
航空事故と重大インシデント、安全上のトラブル(これを小さな非常事態としましょう)を合わせると、平成26年度で928件報告されているようです。
これを多いとみるか少ないと見るかは人によるのでしょうが、年間どれくらいの飛行機が飛んでいるんだろう?またまた知恵袋で申し訳ないですが、調べてみました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1030082100
正しいデータかの保証はできませんが、えいやと一日4000便としましょう。
これに365日をかけて、年間1460000便。
928件÷1460000 = 0.0006…なので、0.06%程度の確立でしょうか。
そんな感じです。
僕も考えたことのないテーマだったので、勉強になりました。
また質問して下さい。
ディスカッション
コメント一覧
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はじめまして。
いつもブログの更新を楽しみにしております。
エンジンの停止率ということで少し為になりそうな情報がありますので紹介させて下さい。
管理人様も仰っていますが、双発機においてはエンジンが片方になってしまったときに、最寄りの着陸可能な空港に決められた時間内にたどり着ける経路を選定します。(ETOPS運航と言われていたりします。詳しくはネットでもたくさん出てきます)
これは国内線においてはあまり必要とされないルールですが、国際線を飛ぶにあたっては、ほぼ必ず必要となります。
国際線ターミナルにいくと、飛行機の右側ランディングギア付近に「ETOPS」と書かれていたらその対象機なので、もし機会がありましたらみてみて下さい。
本題にはいりますが、このETOPS運航(片方エンジン不作動での飛行を考慮した運航)は機体毎に120分〜330分の幅があり、各会社毎に取得する時間も異なります。
その認可を航空局から得るための一つの要素に、空中でのエンジン停止率があります。
日本の航空会社でみてみると、機種別に120分、180分、207分の認可を得ている傾向があります。
ここでは180分を例にしますと、エンジン停止率(各会社での管理数値)が1000時間あたり0.020件でないといけないとあります。
(国土交通省 航空安全情報提供システムで公開されている航空局の資料を添付します。読みづらいですが興味があれば18ページあたりをみてみてください。https://www.asims.mlit.go.jp/fsdb/a_circular.nsf/bc2af3923a3cb575492574fd002dd5df/0857463231fdabe7492578c40042fa50/$FILE/5-003.pdf)
ではこの1000時間あたり0.020件とい数値を評価してみましょう。
50倍すると50000時間あたり1件になります。
この数値は双発機自体で評価されているので、双発機エンジンが2つだから確率が2倍に、、とはなりません。
パイロットの方が一生に飛ぶ飛行時間は管理人様のほうが詳しいとおもいますが、2万時間こえるとかなりベテランの方ではないでしょうか。
そう考えると5万時間に1件という数値からは、同期で一人経験するかどうかという確率もあながち間違いではないように感じます。
しかし、パイロットはそのような一生に、一度あるかどうかという事態になったときの訓練を常にしております。
どうぞ安心して飛行機をご利用頂けたらとおもいます。
長文失礼いたしました。
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コメントありがとうございます
すいません、まさかコメントがあるなんて思ってもいなくて、今気づきました。
そうなんですね、安心しました。
これで安心して飛行機にも乗れるし、パイロットになることへの不安も消えました。
詳しく教えていただき、本当にありがとうございました。