日本航空のLCC設立について質問です。

いつもお疲れ様です!
雛鳥パイロットと申します。
先日、日本航空がLCCの設立、加えて欧米路線も検討に入れると発表しました。
それに対し、様々な方がSNS上であまり歓迎されてない様子でしたので、ご意見をお伺いしたいです。
私の意見としましては、JALはANAに比べ経営面が弱い点を考えると失敗するのではないかと思いますが、LCCが急成長を遂げている中では、そういった攻めの姿勢は必要なのではないかと思います。
By 雛鳥パイロットさん
回答
雛鳥パイロットさん、ご質問ありがとうございます。JALのLCC設立は驚きでしたね。しかも、B787を導入して、中、長距離専門に飛ばすLCCは日本初でもあります。
難しいですね、前提ですが、僕は航空会社の経営についてはあまり詳しくありません。素人目の意見として読んで下さい。
まず、JALは経営面で弱いのかという点ですが、これはどうなんだろう?
僕はむしろ強いんじゃないかと思います。まあ何を持って経営面が強い弱いを判断するかによりますが、皮肉なことにJALは2010年の経営破綻によって莫大な負債を清算しています。また、その後にあったB787のトラブルによる運航停止もANAほどのダメージは受けていません。
さらに、ANAの787に搭載のロールスロイス製のエンジンの欠陥で、ANAの787は飛べない機体がたくさんあります。羽田空港にもエンジンにカバーのかけられたB787がたくさん駐機してあり、これはキツそうだなぁとそれを見るたび思います。
この辺を考えると、資金はJALの方が潤沢にあるんじゃないかなぁと感じます。
資金があれば次に打てる手の幅が広がるし、失敗しても致命的にならずに済みます。
次に中、長距離LCCであるということですが、これは難しいですが、むしろ唯一可能性があるところなのかなという気がします。
国内、短距離国際線を飛ぶLCCはピーチ、バニラ、ジェットスタージャパン、春秋航空、エアアジアジャパン、さらに中国や韓国の格安航空も日本にたくさん飛んできています。すでに市場は飽和してるんじゃないかなと思います。
だからこれ以上何もしないか、それとも長距離国際線LCCを設立するか2択になっていて、何もしないというのは皮肉でもなくなかなか手堅い手だと思います。今のままで儲かっているから、下手こいて失敗するよりずっといい。でも、今後このまま安泰かというと、そんなことはないと思います。
なんせ、やっぱり長距離国際線は運賃が高いですよね。最近エアアジアが関空-ホノルルを破格の安さで始めたし、スクートも日本からホノルルにB787を飛ばすという話です。
すでに日本-ホノルル路線は値崩れしているのかな?
航空会社にはドル箱路線っていうのがあって、国内線だと羽田空港から那覇や福岡、国際線だと東京からヨーロッパの大都市やアメリカの大都市です。
ここにレガシーキャリアが自らLCCを投入して航空運賃を下げてしまうと自滅ってことになりますが、他のLCCが現れてドル箱路線に価格破壊を起こされると大ダメージになると思います。しかしまあドル箱路線はどこも飛ばしたいので、空港はすでにいっぱいで参入するのが非常に難しくなっていますが。
しかし将来にわたって安泰とは言い切れないので、ドル箱に頼らずとも儲けられるビジネスモデルを作る必要性は大いにあると思います。
そんな中、JALの長距離LCC設立はいいアイデアなんじゃないのかなと僕は思います。
長くなりましたが、僕の意見はそんなところです。本来はもっと数字で議論すべきですが、時間がなくてできませんでした。
興味があれば、上の数字の根拠をとってみてください。間違っているかもしれませんが、大手2社の財務諸表や、LCCによる便数の増加や、特定の路線の運賃の推移など、いい業界研究になるんじゃないかと思います。