飛行機についていくつか質問です。

こんにちは。
はじめまして、そらぽんと申します。
飛行機が大好きで普段からこのブログを拝見しておりましたが、どうしても気になることがあったので、思い切って質問をしました。
1つ目の質問ですが、フライトデータレコーダーと、コックピットボイスレコーダーですが、どちらがより重要な設備だと思われますか?
メーデー(ナショジオ)を見ているとどちらも事故調査には重要な物だと思いますが、実際に操縦されるパイロットとしてはどちらがより必要不可欠な物と感じますか?
2つ目の質問ですが、フライト中に管制官から方位の指示があった際、管制官が指示したタイミングと、指示を受けてパイロットが方位の設定をして実行した後だと若干のタイムラグが生じるのでは?と思います。飛行機はかなりの速度で飛んでいるので、これにより経路が管制官の指示よりもズレてしまうのでは?と思いますが、実際はどうでしょうか?
また、指示される方位ですが例えば120度ではなく124度というように、1桁単位で指示されることはありますか?
最後の質問ですが、機体が駐機している時(周りにグランドスタッフの方がお仕事をしている時)にエンジンのファンがゆっくりと回転している時がありますが、これはどういった状態ですか?
(着陸後にスポットインしてから惰性で回り続けているだけでしょうか?)
まとめて質問してすみません。
お時間がよろしい時にご回答頂けたら幸いです。
よろしくお願い致します。
By そらぽんさん
回答
そらぽんさん、ご質問ありがとうございます。
飛行機が好きなことが質問から伝わってきますね。お役に立てれば僕も嬉しいです。
早速ですが、フライトデータレコーダ(FDR)とコックピットボイスレコーダー(CVR)のどちらが重要かという質問ですね。これらを使用するのは事故が起きてしまった時なのでパイロットが使用する装置ではないのですが、僕の考えではFDRの方が重要な装置なのかなと思います。
いずれか一つしかなかった場合のことを考えてみると、例えば最近のB737MAXの墜落事故に当てはめてみましょう。
事故の概要としては、離陸直後にMCASと言われる装置の故障により、機体を地面にまで急降下させてしまったというものですが、パイロットには何が起こっていたのかわからなかったため、CVRだけを解析しても大きな成果はあげられないと思います。一方、FDRを解析すれば飛行機の挙動はデータとして残ります。そのデータをもとに、何故そうなったのか、パイロットが意図してその操作を行なったのか、他の原因があるのかをCVRを解析することにより特定します。つまり、CVRをFDRを補完するものとして使うのが効果的なんじゃないかと思います。
そういった理由で、FDRの方が重要なんじゃないかなと個人的には思います。
次に2つ目。管制官の指示に対するタイムラグについてですが、これは起こります。
しかし、なんのための管制指示かというところにもよるのですが、基本的に航空路上では管制官は飛行機に正しいコースを飛んでほしいからではなく、他の飛行機と衝突しないように間隔をとるために方位を指示します。だから多少のズレはお互いに承知の上で、それでも充分なくらいの間隔をとれるように管制されます。
また基本的に管制官から指示される方位は10°単位です。
さらに管制官からは飛行機のヘディング(機首の方向)が指示されますが、実際には飛行機は風に流されるのでそのトラック(航跡)はずれてしまいます。これも考慮して管制官は指示を出しています。
蛇足ですが、着陸のための管制というものもあって、PARアプローチなどがこれに相当しますが、この場合は滑走路に対する飛行機の位置が重要になるので、管制官の指示に対して飛行機の反応が遅いほど進入は難しくなってしまいます。
最後の質問ですが、よく見ていますね。飛行機が地上にある時に、エンジンがかかっていないのにファンが回っていることがありますね。これは実は風が強いときなどに風車と同じ原理で回っているだけです。そう考えると、あんな重そうなものが風で回るなんて、エンジンはとても精巧に作られているということですね。
回答は以上です。豆知識的なものから、考えると深みにはまっていきそうなものもあり、考えていて楽しいですね。またなんでも質問してください。