パイロットと学歴

2011-01-27

ここではパイロットに学歴が必要かを話そう。

この問いに対する答えは、YesでもありNoでもある。
というのは、採用の方式が違うからだ。

パイロットになるためには主に4つの方法があることは別の記事で述べている。
そのうち、直接エアラインに採用してもらう自社養成パイロットの場合、本質的に一般の就職活動と何もかわらない。
ということは、学歴が少なからず影響する。

実際、自社養成プログラムで入ってくる大学生の出身大学は、様々だ。
東大 京大 慶応大 早稲田大 立命館大 関大 日本大 大阪外大…。
人材の多様化という視点なのか、本当にいろんな大学から合格しているし、合格者がどこかの大学に偏っているわけでもない。

事実として、有名国立大学や慶応大や早稲田など難関の私大の人間が多いけど、どこの会社は○○大学の卒業生が多いとかは聞いたことがないし、フェアに採用活動を行なっているように感じられる程度だ。

学歴と採用との関係を見るならば、その大学から受験している人の数と合格している人の数、つまり大学ごとの合格率を見ないと意味のある数字になるとは思えないけど、慶應や早稲田などのマンモス大学は学生数も自社養成試験を受けにくる人の数も多いから受かっている人の数も多く見えるけど、「有利なのか?」という視点では疑問だと思う。ただやはり「有名大卒の人が絶対数として多い」ということには目を背けられないと思う。

ここまでの結論としては、自社養成を目指すならいい大学に行った方がなれる確率は高くなる可能性があるが、別に一流大学じゃなくてもパイロットになれる。ということだ。

しかし自社養成を目指すのでなければ、学歴は比較的関係ないと言える。
航空大学に行く場合、受験資格は大学2年次相当終了だったと思うが、これは筆記試験でそれなりの点数を取って、健康体で、操縦適正が悪くなければ合格する。

簡単だといっているわけではない。航空大受験において、学歴が関与できる部分が最後の三次試験の面接だけであり、それも最後で学歴で落ちるなんてことは考えにくい。

航空大学は受験者の大学名なんて気にしていないんだと思う。

また、そもそもいい大学を出たからといっていいパイロットになれるわけでは決してない。努力して希望する大学へ挑戦するプロセスは大事だけど、頭の良さだけではどうにもならないところがあるのがこの仕事だ。よくも悪くも。

また、どの道からであってもパイロット訓練生に採用されれば死ぬほど勉強させられることを覚悟しておいてほしい。