着陸手順について質問です。

初めまして。質問があります。
飛行機が滑走路に着陸する手順を教えていただきたいです。できれば、離陸の手順もお願いしたいです。
具体的には管制塔とどのようなやりとりをするのかということが気になります。
お手数ですが、よろしくお願いします。
By太郎さん
回答
太郎さん、ご質問ありがとうございます。
うーん、シンプルな質問でありながら説明するのは難しいですね。
空力的なことまで説明してしまうと質問の趣旨からずれてしまいそうなので、操作と管制の話をしましょう。
まずは着陸に関して。
空港によって違いがあるのですが、管制塔との通信と共に時系列的に説明しましょう。
まず、管制塔といっても管理をしている空域の場所によってその部署(?)が異なります。
空港へ着陸のために進入して来る飛行機に対する管制をまずは『Approach』という部署が管理します。
例えば『Tokyo Approach』とか、『Fukuoka Approach』なんかがあります。
飛んできた飛行機に対して、間隔をとって並べたり、また滑走路まで降下する許可をくれます。
ATC例で言うと、”Cleared for ILS Z34R Approach”とか。それに対し、パイロットは復唱することで確認します。
高度としてはこれも空港によって違いがありますが、おおよそ10000ft~3000ftでしょうか。
この頃パイロットは着陸に向けて降下、減速を行っています。
次に滑走路へ向けて降下進入を続けて、フラップという装置を展開します。これは高揚力装置というもので、これにより飛行機は低速でも揚力を保つことができます。
その後滑走路へ向け最終進入を始める前後に管制はApproachからTowerに変わります。
“Tower”とは個々の空港を管理する管制機関で、着陸許可や離陸許可を与えてくれます。
逆に、前の飛行機との間隔が狭くて危険だと判断した場合には飛行機に対し、Go around、進入のやり直しの指示をだすこともあります。
これもATC例をだすと、”Cleared to land"とかですね。もちろんパイロットはリードバック(復唱)しなければなりません。
このクリアランス(許可)なしに着陸したりすると危険だし、ATC指示違反ということで大変なことになります。
高度としてはこれも空港によって全然違いますが、3000ft~地面までとしましょう。
パイロットはここではランディングギアを出して、フラップを着陸形態にまで展開させます。
飛行機の着陸形態が整ったならば、チェックリストを行なってやり残しがないか確認します。
これはどんな飛行機でもそうでしょう。
具体的には、「オートブレーキ アーム、ランディングギア ダウン、フラップ ランディング」などとチェックリストを読み上げながら二人で確認します。
その後は着陸までコントロールに集中します。
滑走路のセンターラインの真ん中に飛行機がくるようにエルロンを、着陸点から3°のパス上に飛行機がくるようにピッチを、決められた速度を守るようにパワーを動かします。
そのまま地面に突っ込むとハードランディングになってしまうので、接地直前には「フレアー」という操作を行います。
具体的には、操縦桿を引いてピッチを上げて、飛行機の降下率を小さくして、接地時の衝撃を和らげます。と同時に、パワーも適切に絞ってあげて、飛行機また浮きあがらないように(バルーニング)ピッチとパワーを操作します。まあこれが難しい。
さらに横風があると飛行機は普通風に対して首を振った状態で進入するので(カニ見たいなのでクラブと言います)、これを滑走路に正対させるデクラブという操作が必要になります。具体的には、ラダーを踏んで機軸を滑走路に向けます。
これらを同時にやって、滑走路に接地させます。
人によってどこからフレアーを開始するか、どこでパワーを絞るかまちまちですが、それだけ奥が深いということでしょう。
そして接地したならばブレーキを踏んで(大抵はオートブレーキというものを使います)、十分に減速したところで滑走路から出ます。この時、管制官からは”Contact Gound"とか言われて、『Ground』という空港の地上移動を管理する部署に切り替わります。
その後『Ground』からスポットまでタクシーする許可をもらって、スポットに入る。
以上が着陸の流れになります。
文字で書くと難しいですね。イメージ出来たかな?
わからないことがあればまた聞いてください。大歓迎です。