大学でのパイロット免許取得

ご無沙汰してます 大分昔にアレルギー疾患について質問させていただいたHUです。 先の件では回答ありがとうございました。 
 先日、自費で航空身体検査の全項目を受け、一応合格しました。 食物アレルギーも、持って飛んでいるパイロットは沢山いるから大丈夫と言われ、非常に安心しました。
健康を損なわないように、部活引退後も運動、筋トレを続けています。 筋トレオタクです 僕も受験生になり、私は東海大学航空操縦学専攻への進学を目指すことにしましたのですが、一つお聞きしたいことがあります。
ちなみに東海大学を選んだ理由はANA社への就職人数と、自社養成の採用者と航空大学の募集人数の減少、他のコースに比べて副機長として空を飛ぶ夢がちょっと早く叶うといったところです。
アメリカへの留学にも惹かれました。また、とんでもない学費がかかるのですが、これは円高の影響もあり、親が任せろと言ってくれました。 もちろん奨学金もあり、学力でも強い自信があるので首席合格を狙って勉強に励んでいます。
 
長々と意気込みを書いてしまったのですが、一つ不安な点があります。
それは各航空会社への入社後についてです。 まだ一期生が卒業してから間もないので、飛んでいる人がいるかどうかは分からないのですが、何か東海大学の卒業生について知っていることはありますか?(地上職勤務が他に比べて長い、ANAに就職しても系列子会社に回され易いなど)
ANAと提携しているとは言え、東海大学からそのまま十数人がANAに入社していることにかなり驚きました。 学力的な偏見かもしれませんが…… もちろん空を飛ぶということが目標ですが、やはり気になります。
またまた長文になってしまい申し訳ありませんでした。 お忙しい中、また質問が増えてきた中ですが回答よろしくお願いします。
By HUさん
 
HUさん、熱い思いをありがとうございます。どういう結論であれ、君が考えた経過は理にかなっているし、決めた以上は頑張ってほしい。
何より、自分で自分に責任を持って決定を下せるというのはパイロットにとっても最低限に必要な要素です。
 
また君のように『素直に』人のアドバイスを聞いて、実践する気骨のある人ならばどこへ行ってもうまくやっていけるでしょう。
僕も嬉しいです。
 
さて、長いですが喜んで回答しましょう。
民間大学のパイロットコースについて僕の思うことを述べます。 残念ながら僕の知り合いには大学出身の人はいないので客観的事実を述べることはできませんが、ちらほらと噂は聞きます。
 
まず、民間大学のパイロットコースという選択について。これはパイロットになる可能性を底上げするという意味でいい選択だと思います。 なんて言うと意味わかんないですよね、あえて誤解を恐れない言い方をしましょう。
『馬鹿高い学費をクリアーできるなら、パイロットになれる可能性が最も高い選択』であると思っています。
 
誰もが知っての通り、パイロットになる門は非常に狭い。自社要請なんて宝クジみたいな倍率だし(例え君が本当に優秀であっても面接官が見抜いてくれるとは限らないしね)、航空大学だってそうだ。
 
またアメリカにパイロット留学に行くってのも相当の勇気と度胸がないとできない。実際僕にもそんな根性はないかもしれない。
このサイトを見てくれている中にもその決断ができた方がいますが、僕は本当に尊敬します。
単身で文化の違う国へ乗り込んで行って厳しい夢を追う。これは本当に聞こえはいいが、実際やる方は不安もあるでしょうし、大変な努力が必要です。
 
でも、文化の等しい日本人の同期とともにその訓練ができるのは非常に魅力的ですし、しかも若くしてライセンスが取れるというのは特にこれからの時代、とても有利になるのではないかと思います。
 
ただ一つ言っておきたいのが、 東海大に行ったからといって必ずしもANAにいけるわけではないということです。
会社の経営陣に聞いたわけではないですが、東海大のパイロットコースにANAが出資した理由は明確でしょう。
一つはビジネスとして金になると踏んだから。会社にはそのノウハウもあるし専門知識を持った人もたくさんいるしね。 
 
二つ目は中から優秀な人間を引き抜くため。学生の成績なんて会社は熟知しているだろうし、会社内部から教官として出向してる人だっているかもしれない。
 
東海大だってANAが提携してくれるなら学生が喜んで入ってくるだろうから、まさにみんなにとってハッピーなプロジェクトですよね。
 
だから学生の中から本当に優秀な何人かがANAに行っているはずです。その他の卒業生の進路は公開されているのかな?どこへ行ってもそうですが、必ずパイロットになれるという選択はありません。
 
しかし、今の航空業界を見てみると、スカイマークやスターフライヤー、ピーチやジェットスタージャパンなど、エアラインが増えて路線が開設されれば必然的にパイロットが必要になるのだから、チャンスは広がると思います。大学である以上、就職支援は頑張るでしょうしね。
 
以上が僕の民間大学パイロットコースに対する見解です。次に君は気にしているANAへ就職できた際について。
 
君が心配しているようなことはまずないと考えるべきでしょう。いや、実際のところは知らないよ。でも合理的じゃない。
 
普通、基礎ライセンスを取った後は飛行機の型式に分かれて訓練に入り、その型式の飛行機のパイロットになります。
ここでは例えばB787のパイロットに幸運にもなれたとしましょうか。
その場合、ANAの関連子会社、例えばANA WINGS はB787を持ってはいないわけだから、基本的にそこに回されるということは考えにくいわけです。
 
また、基本的には今航空会社は飛行機のサイズによって会社を分けています。
ANA本体はまあ小型機から大型機まで持っているとして、あの子会社には小型機で地方路線をやってもらおうとかね。
 
そういう状況だから、基礎訓練の出身がどこだから…なんてナンセンスなことはしないと思います。 
 
回答は以上です。もちろんどこへ行っても楽な道なんてない。 
ともあれ、自分の決断に誇りを持って頑張って下さい。 また何かあれば遠慮なく質問して下さい。